ロシアが戦術核兵器の使用を想定した軍事演習をウクライナで隣接する地域で始めたと発表したことに対し、被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協、事務局・東京)は24日、「世界を核戦争の危機に追い込み、人類の破滅をもたらす誤った戦術に他ならない」とする抗議文をロシア大使館に送った。

 戦術核は、地域レベルの戦場で軍事目標を攻撃することなどが想定され、ウクライナ侵攻での使用が懸念されている。

 ロシア国防省は現地時間21日、ウクライナに隣接する地域で、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や極超音速ミサイル「キンジャル」などに「特殊弾頭」を搭載。搭載車両を発射に備え指定場所に移動させるなど、出撃の準備をしたという。「米欧の挑発的な発言や脅しに対抗し、領土保全と主権を守るため」と主張している。

 日本被団協は抗議文で、「核戦争に勝者はいない。戦争に勝者はいない」と訴え、戦争終結に向けた対話を一刻も早く始めるよう求めた。

 ロシアのプーチン大統領は、国外で初めて戦術核を配備した同盟国のベラルーシも演習に合流すると明らかにしている。

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