【ニューヨーク=斉藤雄太】米連邦預金保険公社(FDIC)のグルーエンバーグ総裁は20日「後任が決まり次第、職責から退く用意がある」とする声明を公表した。FDIC職員によるセクハラや差別の横行といった職場環境の問題が明らかになっており、同総裁の辞任を求める声が米議会などから上がっていた。
FDICをめぐっては、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが昨年11月、職場内でセクハラなどの不適切な行為がまん延しているとの調査報道記事を掲載した。これを受けてFDICが法律事務所に依頼した調査でも、同様の問題が長年にわたって起きていたことを認定した。
先週に米議会の上下両院の委員会でそれぞれ開いた米金融当局トップの公聴会では、議員からグルーエンバーグ氏の辞任要求が相次いだ。同氏は職場文化の改革が自身の責務だと主張していたが、政治や世論の反発にあらがいきれないと判断したとみられる。
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