台湾では、ことし1月の総統選挙で、2期8年務めた蔡英文総統の後継として頼清徳氏が当選し、中国と距離を置く民進党が初めて3期連続で政権を担うことになりました。

頼氏は20日午前、総統府で就任の宣誓をして、その後、建物の外に設けられた舞台で演説を行います。

焦点となる中国との関係について、頼氏は当選後の記者会見で、台湾の現状維持を強調するとともに「対等と尊厳を前提とし、対抗に代えて対話を行い、自信を持って中国との交流と協力を進める」と述べていて、20日の演説もこれが基調になるとみられます。

一方、「台湾は自国の一部だ」と主張する中国は、頼氏のことを「台湾独立派」として警戒し、1992年に当時の台湾の国民党政権との間で「大陸と台湾はともに『一つの中国』に属することを確かめ合った」とされる「92年コンセンサス」を、民進党政権との対話の前提条件とする姿勢を崩していません。

また、中国政府は先週、「平和と発展、挑発と対立の、どちらの道を歩むのか、『台湾地区の新しい指導者』は明確に答えなければならない」と頼氏をけん制しました。

演説の内容によっては台湾に対する圧力をさらに強める構えで、頼氏が20日、具体的にどう言及するか注目されます。

頼氏「台湾の民主主義深化 地域の平和と安定に力を発揮」

総統に就任するのを前に頼氏は19日夜、海外の来賓を歓迎するレセプションであいさつし、「台湾の民主主義を深化させるとともに、経済をより繁栄させ、地域の平和と安定を守るため重要な力を発揮したい」と述べ、引き続き台湾を支持し、支援してほしいと呼びかけました。

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