ロシアのプーチン大統領㊧と中国の習近平国家主席=共同

【北京=田島如生】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は16日、訪中しているロシアのプーチン大統領と北京の人民大会堂で会談した。中国国営中央テレビ(CCTV)が伝えた。ウクライナ侵略を続けるロシアを経済面などで支える中国について米欧は問題視する。習氏が会談で対ロ支援にどう言及するかが焦点になる。

プーチン氏は16日朝、北京に到着した。3月の大統領選で勝利し、5月7日に通算5期目の任期に入った後で初めての外国訪問だ。訪中は2023年10月、中国の広域経済圏構想「一帯一路」首脳会議に出るため北京を訪れて以来になる。

ロシア大統領府によると、新国防相のベロウソフ氏や安全保障会議書記に就いたショイグ前国防相、ラブロフ外相らが同行する。ロシアの国営石油大手ロスネフチのイーゴリ・セチン最高経営責任者(CEO)ら企業トップも参加する。

中ロ両首脳は両国関係の発展を確かめる。ロシアはウクライナ侵略の長期化で膨張する戦費を賄うため、中国との貿易や投資の拡大をめざす。中国はエネルギー安保の観点からロシア産の石油やガスの輸入を増やしている。

米欧は中国に対しロシアへの軍事転用可能な部品の輸出をやめるよう要求し、状況に変化がなければ対中制裁を科す姿勢をみせる。中国はロシアへの軍事支援の事実を否定し、米欧に反発してきた。

中国はロシアとの経済協力を広げる一方、ウクライナ侵略を巡っては「中立の立場」を主張してきた。習氏は会談で早期停戦や、双方による和平交渉の開始を促すとみられる。

中ロ両軍の連携についても話し合う見込みだ。中ロは安保協力を深める日米韓を威圧するため、日本海などで海空戦力を一体運用する演習を重ねる。爆撃機による日本周辺での共同飛行も常態化させている。

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