ウクライナ非常事態庁は15日、北東部ハルキウ市の住民に避難を呼びかける偽の警告が拡散されているとして、注意を呼びかけた。「市民の間にパニックを広げることを目的としたロシアのフェイクだ」としている。

  • 避難が相次ぐ国境沿いの街 「勤務先も、大学も壊された」

 非常事態庁によると、「ハルキウ市や周辺の集落に避難指示が出された。すぐに安全な場所に避難しなければならない」と同庁が呼びかけているようなメッセージをうつした画像が、SNS上で広がったという。

 同市が州都のハルキウ州の国境沿いでは今月10日から、ロシア軍が新たに地上侵攻を開始し、激しい戦闘が続いている。ただ、ハルキウ市中心部は戦闘地域から35キロ離れ、現時点のロシアの兵力では到達できないとみられることから、テレホウ市長も「市民に避難の必要はない」としている。

 ゼレンスキー大統領は15日夜のビデオ演説で、ハルキウ州の国境周辺について「ウクライナ軍や治安部隊が、状況を部分的に安定させた」と語った。

 ウクライナの政府機関「偽情報対策センター」は15日、「敵にまどわされてはいけない。検証された情報源だけを信じるようにしてほしい」と訴えている。(キーウ=藤原学思)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。