14日、ロシア軍のミサイル攻撃を受けたウクライナ東部ハリコフ州の現場で消火活動に当たる消防士(ゲッティ=共同)

【キーウ=共同】ロシア国防省は15日、ウクライナ東部ハリコフ州で、ルキャンツィとグルボコエの2集落を新たに制圧したと発表した。ウクライナ軍参謀本部は14日、同州のボウチャンスクとルキャンツィの2方面について「兵士の命を守り、部隊の損失を避けるため、有利な位置に移動した」と事実上の後退を表明していた。ロシア軍は10日に国境を越えてハリコフ州に侵入し、攻勢を強めている。

ゼレンスキー大統領は厳しい戦況を受け、予定していたスペインとポルトガル訪問を中止した。両国のメディアが15日報じた。ゼレンスキー氏は14日、首都キーウ(キエフ)でブリンケン米国務長官と会談し、ハリコフ州の防空能力強化を訴えていた。

ハリコフ州の州都ハリコフでは14日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、20階建てマンションが損壊、共同倉庫から出火した。シネグボフ知事によると、子どもを含む少なくとも18人が負傷した。

ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は、近く北東部スムイ州方面に新たな攻撃があるとの認識を示した。米紙ニューヨーク・タイムズが14日、インタビューを報じた。ブダノフ氏は、ロシア軍のハリコフ州への攻勢にはウクライナ軍の兵力を分散させる意図があると指摘した。

ブリンケン氏は14日、キーウ市内で演説し「私たちはウクライナを北大西洋条約機構(NATO)に近づけ、参加させようとしている」と強調した。また、ロシアがウクライナに与えた損害の補償にロシアの海外資産を使えるようパートナー国と協力していると語った。

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