【ロサンゼルス=共同】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)の口座から不正送金したとして銀行詐欺容疑で訴追された元通訳、水原一平容疑者(39)が12日、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した。弁護士を通じ「大谷選手とドジャース、大リーグ、そして家族に謝罪したい」との意向を表明。出廷に先立ち捜査当局に出頭し、身柄を一時拘束されたが、保釈された。

12日、米ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した水原一平容疑者を描いた法廷スケッチ(Bill Robles氏提供)=AP

大谷選手は「捜査に感謝している。個人的には一区切りとし、野球に集中したい」とロサンゼルス・タイムズ紙の取材に語った。

違法賭博への関与が報じられてから、水原容疑者が公の場に姿を現すのは初めて。弁護士は声明で、水原容疑者が捜査当局に協力し、司法手続きの早期終結を望んでいると明らかにした。

地裁は保釈保証金を2万5千ドル(約380万円)に設定。保釈条件として、大谷選手や賭博の胴元との接触禁止、パスポートの提出、ギャンブル依存症の治療を受けることなどを定めた。条件違反の際に保釈保証金を納付する義務が生じる。

水原容疑者は白いワイシャツに黒っぽいスーツ姿で入廷した。所在が不明になる前とあまり変わらない様子で、裁判官から名前などを確認されて「イエス」と回答。保釈条件の説明を受け、うなずいた。保釈後、水原容疑者と弁護士は取材に応じず、地裁を後にした。

次回期日は5月9日で、罪状認否が予定されている。ニューヨーク・タイムズ紙によると水原容疑者は罪を認める方針。

連邦地検によると水原容疑者は2021年11月〜24年1月、違法賭博の借金返済のため、大谷選手の口座から胴元側に1600万ドル(約24億5千万円)以上を不正に送金した疑いが持たれている。大谷選手は被害者で、関知していたことを示す証拠はないとしている。

水原容疑者は違法賭博問題を受けて3月に球団を解雇された。

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