10日、ウクライナ東部ハリコフで、ロシア軍のミサイル攻撃を受けた住宅=ゲッティ・共同

【キーウ=共同】ウクライナ軍の情報筋は10日、ロシア国境に接する東部ハリコフ州で同日朝からロシア軍が攻勢を強め、ウクライナ領内に約1キロ進軍したと明らかにした。10日午後も戦闘が継続。情報筋は、ロシア軍が自国領内への砲撃を減らすため国境から約10キロの範囲に緩衝地帯を設けようとしているとの見方を示した。

ロシア軍が進軍したのは同州北部のボルチャンスク周辺。ロシア軍は3月ごろからハリコフ州への攻撃を激化させており、ウクライナ側は防衛拠点の構築を急いでいた。

一方、ゼレンスキー大統領は9日、特殊作戦軍のルパンチュク司令官を解任し、後任にツレパク副司令官を任命した。ウクライナメディアが報じた。ルパンチュク氏は昨年11月に司令官に就いたばかりだった。戦況が停滞する中、軍高官らの人事に混乱が生じている可能性がある。

要人警護を担う国家警備局局長の解任も9日発表した。大統領らの暗殺計画に関与したとして、同局の大佐2人が拘束されたことを受けた措置とみられる。

ゼレンスキー氏は2月に人事刷新を開始。軍総司令官のザルジニー氏を解任し、侵攻当初からゼレンスキー氏を支えてきた国家安全保障・国防会議書記のダニロフ氏も3月に解任した。

ウクライナでは兵士不足が深刻で、収監中の受刑者の軍入隊を可能にする法案が8日に可決された。マリュスカ法相は英BBC放送ウクライナ語版が10日報じたインタビューで、最大2万人の受刑者の動員が可能との見方を示した。

ロシア通信などによると、モスクワ南西のロシア・カルーガ州では10日、同日未明の無人機攻撃で製油所に火災が発生した。

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