ユニークな周辺機器を自作するThomas Tilley氏は,「パズルボブル」のバブル発射装置を制作し,その様子をYouTubeやXアカウントで公開している。ゲームと連動して角度やバブルの色が変わる優れものだ。



 パズルゲームにおける定番の一つが,1994年から展開するタイトーの「パズルボブル」だ。泡はきドラゴンの「バブルン」「ボブルン」が,画面下の装置を動かして色とりどりのバブルを発射し,盤面に配された同色のバブルとつなげて消していく。プレイヤーがレバーを操作すると,バブルンたちが発射装置のハンドルをキコキコと動かして,発射角度を調整してくれるのが愛らしい。

「アケアカNEOGEO パズルボブル」より,「パズルボブル」のゲーム画面。下部に配されているのがバブルを発射する装置

 今回Tilley氏が制作した周辺機器は,このバブル発射装置を再現したもの。プレイヤーがレバーを操作すると,これに応じて歯車が回転し,バブル発射装置の角度も変わる。バブルンがハンドルを動かす様子が再現されているのに加え,バブルの色も変化するのが面白い。

写真奥のゲーム画面と,手前のバブル発射装置が連動している。矢印の角度とバブルの色は画面と同じだ。
バブル発射装置を操作するバブルンも再現されており,矢印の角度が変わるとハンドルを回すのが可愛らしい。左側のもう一人の泡はきドラゴンは画面だとバブルン(緑)カラーだが,こちらではボブルン(青)カラーになっているあたりは愛のあるアレンジだ

 材料は段ボール,竹串,3Dプリンタで作った歯車などで,バブルにはロールオンタイプのデオドラント剤に使われているボールと,LEDが用いられている。
 スクリプトがメモリから発射装置の角度とバブルの色を読み取り,制御を担当するマイコンボードのArduino UNOに送信。Arduino UNOがモーターやLEDに信号を送り,ゲーム画面とバブル発射装置の連動を実現しているそうだ。


 Tilley氏は,幅1m93cm×高さ1m16cmの巨大ゲーム&ウオッチや,ハンドル型玩具でプレイする「スーパーハングオン」(関連記事)など,ユニークな機器を自作することで知られている。
 「パズルボブル」は氏のお気に入りであるようで,これまでにもサラダスピナー(野菜を入れてハンドルを回すと水切りをしてくれる道具)やコーヒーミルのハンドル,塩ビパイプで作った仕掛けを回転させてプレイするシステムを発表している。

Tilley氏による,サラダスピナーを利用した「パズルボブル」コントローラ。中にはマウスが入っており,サラダスピナーのハンドルを回すとマウスの角度も変わる
こちらはコーヒーミルを使ったデバイス。手を添えている黒いものはコーヒーカップで,バブルを発射するボタンが仕込まれている
塩ビパイプを組み合わせて作った回転式のハンドル。こちらもハンドルを回して「パズルボブル」をプレイする
Tilley氏の代表作である,幅1m93cm×高さ1m16cmの巨大ゲーム&ウオッチ。ギネス世界記録に認定されている
玩具を改造した「スーパーハングオン」用ハンドル。中にはRaspberry Pi-Zeroが仕込まれていて,ハンドルでゲームを操作できる。Raspberry Pi-Zeroを取り外せば,元の玩具に戻せる




 リアルの仕掛けと画面内のキャラクターが連動する様子には理屈抜きの面白さがあり,動画の中でもイベント会場と思しき場所で笑いながらプレイしている来場者たちの姿が見られる。
 氏は精力的に活動を続けており,これからどんな仕掛けを発表してくれるかが楽しみだ。

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