プレイヤーはひとりのダイバーとなって,多くの生き物が生息し,さまざまな謎にあふれた不思議な海を探索する。
最大30人のオンラインプレイに対応しており,コミュニケーションを取りながら一緒に海を泳いだり,海域の情報を共有したりして楽しめる点も特徴だ。
そんな本作の海中散歩の雰囲気や,不思議な海のなかでできることといった“驚きと出会いに満ちた神秘的なダイビング体験”を,先行プレイの模様を通して紹介しよう。
神秘的な体験をもたらしてくれる,リアルに描写された海中世界
ゲームの舞台となるのは,ごく限られたダイバーにしか知られていないベールド海。この,潜るたびに姿を変える不思議な海は,異なる塩分濃度の海域がつながっており,海水,汽水,淡水の生き物が同じ海で観察できる。
そんな,とても珍しい自然環境を有する海には,なんと500種類以上の生き物が生息している。そのなかには,すでに絶滅したはずの生き物や,幻の生き物たちの姿も。このように不思議とロマンにあふれた海のなかを,プレイヤーは自由に探索できるのだ。
岩のトンネル,美しいサンゴ礁,水面の波紋がキラキラと映りこむ浅瀬。海に潜るとそこは「ダイビングで見てみたい景色」のオンパレード。さらに,通常のダイビングでは行くことのない薄暗く静かな海底,神秘的ながらどこか恐ろしさも感じるブルーホールまで,さまざまな地形が出迎えてくれる。
普通のダイバーが潜れないような深さにまで潜ることもできる。ダイビングのライセンスを持たない人が体験ダイビングを行う場合は,大体の場合水深5mくらいの地点を潜るのが精いっぱい。もっと潜ったとしてもプラス数メートルくらいだろう。
ライセンスを保持している通常のダイバーでも30mくらいだ。もっと深く潜れるダイバーもいるそうだが,通常よりも危険を伴うことだろう。しかし,本作ではなんと水深100mを超える地点にも長時間潜り,そこに生息する生き物を観察できる。しかも「100%安全に」だ。
Bボタンで行うドルフィンキックに感じる重みや,マスクを通した呼吸音,ブクブクと吐き出される泡など細部の演出のリアルさにもきっと驚くはず。
筆者は何度かダイビングを体験したことがあるが,そのときの感触が次々と思い出され,興奮してしまった。Switchの小さい画面の中に大きな海が広がっていて,そこを泳いでいるように感じられたのだ。
こ,これはウミユリ!? 水深100m以深にしか生息していないそうなので,実際に私たちが目の前で見ることはできないだろう |
脳みそみたいなサンゴ,その名もノウサンゴ。海の写真や図鑑などで見たことがある! |
直感的操作で,たくさんの海の生き物を発見し,知って,触れ合える!
ゲームにはいわゆるストーリーモードにあたるものがあり,「調査本部」のメニューからチャプターを選択することで進行する。
これらを進めていくと,操作方法や具体的な探索のしかた,ダイバーであるプレイヤーがベールド海に潜る目的などを順番に覚えながら,メインストーリーを楽しめる。
それらは自由な探索や海中散歩を楽しむための導入といった感じで,ひとまず知っておけばいいのは,我々は「海洋調査プロジェクト」の本部から派遣されたダイバーであり,ベールド海の生き物を調べるのがミッションなのだということ。詳しいことは,ナビゲーションAIのSerA(セラ)が説明してくれる。
生き物の具体的な調査方法は単純明快で,調べたい生き物にただ注目するだけだ。すると,レンズからデータが本部に送られるらしい。一度送られた生き物のデータはいつでも確認できる。我々は,気になる生き物に注目していれば,その習性や特徴を知ることができて,与えられたミッションも同時にこなせるということだ。
出会った生き物へ“注目”する行為をアンベールという。アンベールは,ダイバーから見えているわりと広い範囲が対象なので,生き物が密集している場所では,一気に複数をアンベールできる。シュポシュポ集まってくる光が気持ちいい。操作やミッションは複雑でないので,じっくりと海の生き物に向き合うことができる。
海の生き物のなかには,変異種や未確認生物など,通常とは違った特別な特徴を持つものもいる。
さらに,海底には海の生き物だけでなくお宝も眠っているので,それらをサルベージしていこう。さまざまな驚きが,ベールド海には隠されているのだ。その秘密の全貌は,ぜひ自身での目で確認してみてほしい。
撮影したり,オンラインでみんなと潜ったり……“ベールド海をもっともっと楽しもう!
魚と一緒に泳いだり,アンベールしたり,宝探しをしたりと,いろいろな遊びにあふれた調査隊のお仕事だが,お楽しみはまだまだある。それは写真撮影と,オンライン要素の「みんなでダイビング」だ。
海中の完成度が高いだけに,写真撮影は「これだけでひとつのソフトとして成り立つのではないか?」と思えるくらい面白い。現実世界で自ら海に潜り,魚のベストショットを追い求めることは相当ハードルの高い行動だが,エアーの残量や潜るまでのコストを気にせず,いくらでもベストショットを追求できるということは,本当に贅沢なことだ。
そして,海の楽しさを最大30人で共有できる「みんなでダイビング」。ランダムにセッションしてもいいし,セッションコードを発行して,仲間と集まってもいい。エモートと美しい景色を味わう共通の心があれば,言葉が交わせない海中でも,きっと盛り上がるだろう。
このように,自由な遊びにあふれ,オススメしたいポイントもたくさんある本作。そのなかで特筆したいものをひとつ。それは,アンベールした生き物を連れて泳げるという夢のシステムだ。
基本的には,海の生き物たちがダイバーと一緒に泳いでくれるというものなのだが,エビやカニ,ヒトデといった生き物は,背中のボンベにくっついてくる。
これが,非常にかわいい!
この喜びを,全ダイバーに味わってほしい。さて,次はどの生き物を背負おって,海中散歩を楽しもうかな〜。
オニヒトデ。大きめの個体を搭載してみた |
このニシキエビとは,かなり深いところまで一緒に潜った |
毛ガニ……小さくて本当にキュート! しかも美味しいのだ |
ビーチコーミングで美しい貝や石を見つけ集めるように手軽ながら,本格的に海の生き物と触れ合えるベールド海。潜るたびに姿を変えるその海で眺められる,大好きな生き物,今まで知らなかった生き物たちのいきいきとした姿。海のなかの世界はたくさんの発見と喜びに満ちている。
「シュモクザメは,海の深いところに生息しているのだな」「ウツボはこういう岩の穴に住んでいるのか」「タチウオの泳ぎ方って特徴的だ」……と,図鑑では見られない動きや生態をじっくり観察できることも,大きなおすすめポイントだ。
海や生き物が好きな子どもたちにプレイをオススメしたいし,保護者の皆さんにもぜひ一緒に楽しんでほしい。調査のことを忘れ,ただ海中を漂うだけでも抜群の癒し効果があるので,寝る前に軽くプレイするのもいいかもしれない。どんな思いを持って潜ったとしても,美しく雄大なベールド海が,ダイバーを優しく包んでくれるだろう。
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