アーティスティックでありながら視認性の高いバトル画面
アメリカ・ラスベガスで開催された「EVO 2023」以来のプレイアブル出展となった今回のバージョンでは,新キャラクターとしてイラオイが追加されたほか,グラフィックス面のさらなるブラッシュアップが施されたようだ。
試遊に際してまず何より目を引いたのは,アーティスティックでありながら視認性の高いバトル画面だ。アニメ調で描かれるキャラクターたちも映像にマッチしており,試合では最大4人が入り乱れることになるが,とくに繁雑に感じることはなかった。
また,洗練されたキャラクターのアクションはスタイリッシュで,動きに違和感を覚えることもない。ファーストインプレッションの時点では一切の文句が出ない仕上がりと言っていいだろう。
スピーディかつ挑戦的な“攻めた”バトルシステム
本作の操作は,方向キー+6ボタンが基本となる。6ボタンの振り分けは,L(弱),M(中),H(強)攻撃の3つと,必殺技に使用するS1,S2,アシストに使用するT(チーム)ボタンの計6つで,そのほかダッシュとパリィ用のボタンも用意されていた。
通常攻撃となるL,M,Hは連続して押すことでコンボとなり,そこからさらに必殺技につなげられるので,「L→M→H→S1(S2)」といったシンプルな構成の連続技が基本となりそうだ。
本作の操作形態は,ほかの格闘ゲームを遊んだことがある人であればすんなりと入れるものとなっているが,やや特殊なのがチームボタンでくり出せるチームメイトとの連係アクションだ。
このアクションには,チームメイトと交代する「タッグランチャー」や「クイックタッグ」,チームメイトを呼び出して波状攻撃を仕掛ける「アシストアクション」といったオーソドックスなものが用意されているが,そのなかで画面内にいるチームメイトと即座に交代する「ハンドシェイクタッグ」が本作の自由度を上げ,スピーディな戦いを演出している。
相手のキャラクターを挟み込んで交代すればガード方向の揺さぶりを仕掛けられるし,交代前に飛び道具や設置攻撃を用意できれば,強力な崩し※を構築できるだろう。
※崩し:打撃と投げ,中段攻撃,下段攻撃などで相手のガードを崩す行動のこと。本作では,交代を活用することで表裏の崩しも展開できる
アシストアクションでチームメイトを呼び出しつつ波状攻撃を仕掛け,ガードを固める相手をハンドシェイクタッグを絡めた連携で崩す。本作の基本となる攻めの流れとなりそうだ。
可能性が広がる自由度の高いカスタマイズ
本作は2on2の格闘ゲームであり,キャラクター単体の性能も大事だが,互いのキャラクターの相性も重要となりそうだ。立ち回りが強力だが崩しが苦手,立ち回りは弱いが接近戦の爆発力はピカイチなど,キャラクターによってその個性はさまざまだなので,短所を補うか長所を伸ばすか,チーム編成もプレイヤーの好みによって,考えが変わってくるだろう。
また本作では,キャラクター決定後に「ヒューズ」というさまざまな恩恵を得られる要素を選択する。なかにはアシストアクションを2連続で発動できるようになるものもあり,同じチーム構成だとしても異なる戦略を組み立てられるだろう。
本作のような強力なIPを題材にした格闘ゲームは,話題だけが先行し,格闘ゲームとしての完成度が追いつかず,骨太な格闘ゲーマーには敬遠されることも多いが,今回の試遊でケチをつける部分はほとんどなかった。操作のレスポンスも良好で,「キャラクターを動かすだけで楽しい」という気持ちを久しぶりに感じたほどだ。
なお,本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるTom Cannon氏は「今後,プレイできる機会を増やし,フィードバックを行っていく」と話している。「League of Legends」を知らない格闘ゲーマーも,格闘ゲームを遊んだことがない「League of Legends」プレイヤーも,機会があればぜひ「2XKO」に触れてほしい。本作には新しい感動があるはずだ。
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