なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
 なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「コインムスメ」(BROWSER)を深掘りしましたが,今回の分析ターゲットは「Brilliancrypto」です。

 いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには,大いに参考になるはずです。


本記事は紹介を目的としたものであり,これらのブロックチェーンゲームのプレイや,NFTの購入を推奨するものではありません。投資行為にはリスクが伴いますので,十分に調べたうえ各自で判断してください。


ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング


順位 タイトル ジャンル MAU 先月比
1 BoomLand カジュアル 231万 +26%
2 Moto DEX レース 198万 -15%
3 Pixels シミュレーション 177万 -8%
4 Yooldo カジュアルバトル 79万 New
5 MEET48 AIアイドル 68万 +317%

※DappRadarから引用(2024年7月29日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。

 今月は,「Yooldo」というカジュアルゲーム系のプラットフォームが,4位にランクインしています。そこで遊べるカジュアルバトルロワイヤル「TroublePunk:Cyber Galz」は,制限時間である5分以内に,対戦相手と戦いながらコインを集めて1位を目指すというものです。アニメ調の派手な画面が目を引きますが,オブジェクトを破壊してアイテムを入手するなどして,戦略的にバトルを進めていきます。

カジュアルバトルロワイヤル「TroublePunk:Cyber Galz」


ブロックチェーンゲームの取引高ランキング


順位 タイトル ジャンル 取引高 先月比
1 Treasure Ship Game シミュレーション 6923万ドル(約101億758万円) +52%
2 Axie Infinity TCG 2660万ドル(約38億8360万円) -38%
3 NIGHT CROWS MMORPG 2508万ドル(約36億6168万円) -23%
4 Gods Unchained TCG 1389万ドル(約20億2794万円) +65%
5 Cambria: Duel Arena バトル 1116万ドル(約16億2936万円) -3%

※DappRadarから引用(2024年7月29日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。

 取引高ランキングで久しぶりにピックアップするのは,「Gods Unchained」です。NFTを利用したTCGで,無料でもプレイできますが,マーケットでカードを買ってきて強いデッキを組むこともできます。新エキスパンションが追加され,新しいスキルも増えて,より戦略的になりました。デッキ解析サイトなども充実しているので,プレイする際にはぜひ参考にしてみてください。

トレーディングカードゲーム「Gods Unchained」


「Brilliantcrypto」の分析


・ゲーム概要
 デジタル宝石のマイニングゲーム「Brilliantcrypto」(ブリクリ)は,NFTのツルハシで鉱山を掘って,NFTの宝石をコレクションしていくゲームです。鉱脈は鉱山ごとにランダム生成されており,形状がそれぞれ異なります。鉱石がありそうな場所を予測したり,探知機を使ったりしながら掘り進んでいき,炭鉱夫としてのカンと経験が問われます。

 鉱石の種類は,大きく2種類あります。原石は研磨して宝石に変換でき,輝石はBRILトークンに変換することができます。研磨した宝石やBRILを売却することで稼げる点が,Play To Earn要素となっています。
 ブリクリは,コインチェックでIEO(トークンの販売)とINO(NFTの販売)が行われ,IEOでは目標調達額15億1200万円に応募開始13分で到達し,最終的に333億円の応募があったことで一時話題となりました。


・NFT
 ブリクリには,ツルハシと宝石の2種のNFTがあります。ツルハシは鉱山を採掘するためのアイテムで,ツルハシを保有していると鉱山のオーナーになることができ,自分が保有する鉱山で採掘された原石(研磨して宝石になる鉱石)を獲得することができます。ツルハシは,雇ったスカラーに貸し出すことも可能で,最大6人で鉱山の採掘を進めることができます。

 鉱石で採掘された原石を研磨すると,宝石を獲得することができます。宝石はサイズや品質によって評価が変わり,稀に採掘時の情報や宝石の特徴を元にAIで生成されたヒストリーが付与されます。
 これらツルハシや宝石NFTは,ゲーム内のマーケットプレイスで,MATICやBRILで取引できます。


・BRILトークン
 IEOで販売されたBRILトークンは,ツルハシのリペアやレベルアップに使用されます。また,マーケットプレイスでツルハシや宝石を購入するためにも利用可能です。
 輝石の採掘によって排出されるBRILと,リペアやレベルアップで消費されるBRILのバランスにより,流通量や価格が影響を受けることになります。


・スカラー
 ブリクリでは,ツルハシを持っていない場合でもスカラーとしてプレイすることができます。スカラーとは,ツルハシを借りて採掘を行うプレイヤーのことです。
 スカラーは,輝石を採掘してBRILを稼ぐことができます。オーナーはスカラーの報酬比率を設定でき,高い報酬比率の山を選べば,スカラーの収益効率は上がります。
 なお宝石の原石は,スカラーが採掘した場合でも鉱山のオーナーのものになります。


・マーケット分析
 運営に入る取引手数料のデータをもとに,マーケットでの取引ボリュームの分析を行いました。マーケットではBRILとMATICの2種類のトークンで取引されているため,それぞれデータをまとめています。

 ゲームリリース直後は,新規プレイヤーの影響でツルハシの取引が盛んに行われていました。その後の取引の中心は宝石にシフトして,少額の宝石が多数取引されていくようになりました。
 1か月間での取引数は合計1万7000件を超え,取引高は130万BRIL,63万MATICでした。


・まとめ
 スカラーというシステムをゲームにうまく取り込んでおり,無課金でスカラーとしてゲームをプレイすることで,少額ではあるものの“稼げる”ゲームとしてスタートを切ることができています。
 今後,デジタル宝石にどういった価値が付けられていくのかに,注目していきたいと思います。


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