Appleが月額900円(税込)/年額6000円(税込)で,iPhone / iPad / Mac / Apple TV向けに提供している,ゲームのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」。
 広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されている本サービスの中から,4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していくのが,この連載だ。

 第9回では,バンダイナムコエンターテインメントが配信しているアドベンチャーゲーム「たまごっちアドベンチャーキングダム」を紹介しよう。


「たまごっちアドベンチャーキングダム」


リリース日:2024年1月4日
配信元:バンダイナムコエンターテインメント
対応端末:iPhone / iPad / AppleTV / Mac
ゲームパッド対応:○

オススメポイント
1.可愛いながらも超シュール。本作独自の味付けをされた世界
2.「たまごっち」世界の豊富なアイテムで楽しめるハウジング
3.素材集めやクエスト達成など,マイペースにプレイを進められる


 「たまごっち」……。それは,1996年に発売された手のひらサイズの小型電子ゲーム機だ。小さな白黒の画面にドット絵で表現された生き物のお世話をする新しさが,当時の女子高校生を中心にヒットし,社会現象にまでなった。その頃の筆者はターゲット世代だったこともあり,勉強もそこそこに小さき生き物の世話を楽しんでいたものだ。

 そんな懐かしい思い出から約30年。たまごっちはこれまでにたくさんのシリーズ作品,メディアミックス作品がリリースされてきた。タイトルによって,その内容やたまごっち世界の設定は異なるが,少々シュールな作風はたまごっち作品の持ち味。そして,「たまごっちアドベンチャーキングダム」は,そのなかでもなかなか個性的な作品だ。少なくとも,初代たまごっちをプレイしていた時代からは想像できないような世界なのである。

3行で完璧に状況説明してくれる,デキる主人公・まめっち

 公式では,「まめっち」,そして個性豊かな「たまとも」達といっしょに広大な世界を探索し,たまごっち星のみんなをハッピーに! と,爽やかに紹介されている。確かにこれは間違いではない。だが,テキストの雰囲気や登場するたまごっち達の自由すぎる言動により,プレイしたときの印象は多少異なるように感じる人も多いだろう。

ちなみに「たまとも」とは,たまごっち世界で“大切な友達”のことを指す言葉だが,本作では,“同じ星の尊い仲間”“志を同じくする者”というようなニュアンスも含まれていそうだ

 本作には,約300種類ものたまごっちが登場している。今までのゲームやメディアミックス作品でおなじみのキャラが多く登場するほか,本作オリジナルのたまごっちも存在する。

ぐるぐるタウンに住む「めめっち」は,2004年発売の「たまごっちプラス」から登場している人気キャラだ

 たまごっちの名前は,彼らの身体的特徴,好きなもの,大事にしているものなどからつけられるのがセオリーのようだが,筆者が最も度肝を抜かれたたまごっちの名前を紹介させてほしい。それが彼だ。

カ,「カブリオレっち」……

 彼は見ての通り“カブリオレ(オープンカー)”なので,命名法則的に不自然ではないのだが,完全にそうくるとは思わなかった。“オープンカーっち”,ではないところにこだわりを感じる。まめっち,くちぱっち,おやじっちなどのようなユルかわいいたまごっちしか知らなかった身としては,衝撃の出会いだった。

この「ループぱっち」もとがったキャラで,バックストーリーが気になる

過去のメディアミックス作品にも登場している「黒板ティーチャー」。黒板が顔になっているデザインといい,語尾についている「(笑)」といい,不思議を通り越して,やや不安になってしまう

そんな個性の博覧会ともいえるたまごっち星にあっても,主人公のまめっちは通常運転だ

 本作のテキストも,今までのたまごっちのイメージより少しだけシニカルだったり,子供向けというには難しいセリフ回しがあったりと,独特の味がある。だが,決してほのぼのした世界を使って悪ノリをするようなものではない。これもまた一つの,愛すべき“たまごっち世界”として完成されているのだ。

アイテムや素材などのフレーバーテキストも,面白くて読みごたえがある。いまだかつて,「木の橋」の説明文として「シロアリが大好き!」と元気に書かれている作品を見たことがあるだろうか……私はない

クエスト達成,新たなたまとも加入などのときに「了解」の意味で「やったー!」というボタンをタップする。この感じがとても好きだ

ハウジングのアイテムはたまごっちらしさたっぷりのデザインで,集めるのも作るのもうれしい

達成すると報酬がもらえるチャレンジ要素も

クエストを進めていくと,たまごっち星はどんどん復興していく

 「たまとも」達の困りごとを解決していく過程で,徐々に入手できる素材や作れるアイテムが増え,遠くのエリアが開放される。そしてそこに行くと,また新たなクエスト,素材,アイテムの設計図に出会える。さらに作れるものが増えていき,ハウジングがはかどる……。このコツコツ積み上げていく充実感と同じくらい,このシュールな世界の味わいを“楽しみの核”として推したい。
 というか,ぜひ,この不思議とクセになる気持ちを多くの方と共有したい。きっと,お気に入りの「たまとも」との出会いをはじめ,充実のたまごっち星ライフを送ることができるはずだ。

ちなみに,本作のなかで筆者が最も気に入っているのはこの「おひげっち」だ。アンティークタウンにいるので,ぜひ会いに行ってみてほしい

Apple Arcade:月額900円(税込) / 年額6000円(税込)
Apple One:月額1200円(税込)
※「iCloudプラス(50GB)」「Apple TV+」「Apple Music」「Apple Arcade」を利用可能


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