Microsoftが2024年8月21日(海外時間)に発表した新プロダクト「Xbox Adaptive Joystick」は,身体の動きに制約のあるゲーマーのニーズに応える形で設計されたジョイスティックだ。


 本製品は,Xbox用コントローラやXbox Adaptive Controller向けに作られた有線接続のアクセサリで,扱いやすい形状や重さ,Xboxアクセサリアプリでのボタンの再マッピングなど,さまざまなプレイ環境を想定したデザインやカスタマイズ性の高さが特徴となっている。

 この新製品について,ドイツで開催中のgamescom 2024のMicrosoftビジネスブースで,8月22日に行われたプレゼンテーションに参加し,開発の経緯やアクセサリとしての特徴を聞いてきた。

 プレゼンを担当したのは,XboxのSenior accessibility product managerであるKaitlyn Jones氏,インダストリアルデザインチームのPrincipal designerであるChris Kujawski氏だ。


 「Xbox Adaptive Joystick」誕生のきっかけは,2018年発売(日本発売は2020年)のXbox Adaptive Controllerへのフィードバックだった。

 できるだけたくさんの当事者の考えや意見,実地での所感を得てきたというXboxは,同製品使用者の多くが“コントローラと一緒に使える手ごろな価格のジョイスティックを探している”ことを知り,新プロジェクトをスタート。さらに多数のグループやプレイヤーコミュニティとも関わるなかで,この取り組みがすばらしいものであると気付いたという。

 以降,アクセシビリティの専門家や関連団体,デバイスを取り入れている病院などの協力を得ながら,長年にわたる研究とテストを続けてきた。身体障害のあるゲームプレイヤーにプロトタイプを体験してもらい,その感想を受けながら全体のデザインやボタン配置を調整してきた結果,左右どちらの手でも扱いやすい形状,サムスティック,4つのボタン,バンパーとトリガーコントロール用の2ボタンという構成となった。

 これらのデザインやカスタマイズオプションなどは,同プロダクトのデザインチーム内で実施したハッカソンで生まれたアイデアが,あとにつながるいいきっかけになったとのことだ。


 本製品の特徴として挙げられたのは,本体下部にジョイント用のネジ穴があること。これにより,机や椅子にセットするアームや三脚といったものに固定でき,ゲーム中は常にジョイスティックを持たずとも操作できるようになる。また有線接続のアクセサリにした大きな理由の1つは,バッテリーやBluetoothアダプタといった重さに影響を与える部品が不必要になることだとしていた。

 さらにサムスティックのトッパーは,3Dプリントで各々の求める形にカスタマイズできる。Xbox Design Labでデザインできるトッパーは,形状や幅,高さを調節できる6種類を用意。自身でデザインし,無料で3Dプリントファイルを作成できる。
 これによって肘や足,あごなどでも動かしやすい大きさと形状のスティックを,プレイヤー自身が使いやすいかたちで作れるわけだ。

 こうしたアクセシビリティに取り組み,かつ技術のある団体や病院では以前から推進されていたとのことだが,本プロダクトの重要なテーマは,3D技術の知識や経験の有無を問わず誰でも使えるようにするための「選択肢と柔軟性」にあったという。


 選択肢と柔軟性は,「Xbox Adaptive Joystick」の使い方自体においても大事なコンセプトだ。
 開発チームは基本,製品紹介はしても,その使い方までは説明しない。実際に行うのは「既存ユーザーの声を強調すること」で,近いニーズの新規ユーザーがその人たちの発信で学びながら,自分自身で設定を探り,アダプティブへの理解を深められるようにしているという。

 サポートが必要な人への手助けだけではなく,ユーザーの創造性を高めるということもまた,本プロダクトで推進されているのだ。


 プレゼンでは実機を使ってゲームを体験できたのだが,持った感覚と操作した感じは,ちょっと懐かしいWiiヌンチャクに近い。軽量なため左右どちらの片手操作でも扱いやすく,デスクや椅子用のアームにセットすれば,クルマのシフトレバーのようでこれもまたしっくりくる。

 そのうえで用途には,ただ与えられるのではない,自分自身で使い方を考えるという面白さがある。選択肢と柔軟性を大事にし,ユーザーの創造性を高めるプロダクトとなっていることは現地で実感できた。

 本製品は2025年初頭,29.99ドルで発売される予定だ。

写真はgamescom 2024のXboxブース


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