1994年にセガからリリースされたメガドライブ用ゲーム「Eternal Champions(エターナルチャンピオンズ)」実写映画化が,「Deadline」「The Hollywood Reporter」など映画や芸能情報を取り扱うサイトで明らかにされた。

 今回発表された映画版は,「トップガン マーヴェリック」「スター・トレック BEYOND」など多数の作品を手がけ,国産IPである「ソードアート・オンライン」「STEINS;GATE」の実写ドラマ化権を獲得したアメリカの映画製作会社スカイダンス・メディアが担当。脚本は,「名探偵ピカチュウ」「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」などで知られるデレク・コノリー氏が執筆する。

※記事内の画像は,バーチャルコンソール版「エターナルチャンピオンズ」のページと,Steam版のページより

 原作となるエターナルチャンピオンズは,ボス「エターナルチャンピオン」によって,ありとあらゆる時代,世界から集められた9人の戦士たちが戦いを繰り広げていく2D対戦格闘ゲームだ。消耗するとキャラクターたちの必殺技が決まる確率が下がる内面的なパラメータ「インナーストレングス」や,相手のインナーストレングスを下げるアクション「侮辱」,敵にトドメを刺すフィニッシュムーブといった独自のシステムが用意されている。

 また,ロゴに「武士道」と記されていたり,登場キャラクターの1人「シャドー・ヤマト」のステージに「黒い蘭の花」という怪しげなネオンサインがあったりと,東洋からの影響が感じられる要素が随所に盛り込まれている。


 プレイアブルキャラクターの個性が強いところもポイントだ。いくつかピックアップしてみると,自身の肉体をサイボーグ化した格闘家の「ラックス」,秘密警察出身の賞金稼ぎ「ブレード」,ギャングのボスの下で働く夜盗「ラーセン」,サーカス団に属し世界を渡り歩きながら格闘技を学ぶ「ジェッタ」など,いずれもキャラが立った者ばかりである。

画面上部の左右にある陰陽マークは,インナーストレングスの状態を表す「インナーストレングスオーブ」だ 画面左にいるのが最終ボスのエターナルチャンピオンだ。エネルギー体のような存在で,合気道を思わせる道着を着用している

 なお,海外ではメガドライブ版のほかにも,メガCD版「Eternal Champions: Challenge From the Dark Side」やアクションゲーム「X-Perts」といった作品もリリースされている。

女暗殺者シャドー・ヤマト。ゲーム内のプロフィール確認画面ではなぜかシャドー・ヤモト(Shadow Yamoto)表記 先史時代の狩猟民スラッシュ。見た目は凶暴だが,農業による安定した生活を得ようと考えた高い知識を持つ
人間の体を捨ててサイボーグ化したキックボクサーのラックス。人間の格闘技が衰退した時代から召喚された アトランティス人に作られた剣闘士のトライデント。サメとの戦いで失った右腕の代わりに三つ叉の槍を装着している
生物学者のミッドナイトは,事故によるショックでヴァンパイアに変身してしまったキャラクターだ 探偵モノに出てきそうな雰囲気を感じられるラーセン。パンチによる攻撃が得意で,さまざまな武器を隠し持っている

 原作ゲームの発売から30年が経ったタイミングで実写映画化が発表され,当時本作で遊んでいた筆者として,とても感慨深いニュースだ。ゲーム本編に登場し,スピンオフ作品でも主役を張ったシャドーやラーセンをはじめ,Challenge From the Dark Sideのキャラクターたちにも出番があることに期待したい。あとは,現代のCG技術でエターナルチャンピオンを表現するなら,全身がダイナミックに変化するものだと嬉しいし,怪しい日本風の表現もあったらいいなと,いろいろ期待が膨らむ。
 先述したとおり,登場キャラクターたちは大変個性的で,それらが入り乱れていたのだから,ある意味でに映画にうってつけな題材であると言えるのではないだろうか。当時を知る格闘ゲームファンとして,今後の動向に注視していきたい。

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