韓国のインディーゲームイベント「Busan Indie Connect Festival 2024」に出展されていたタイトルの中から,Codename Bomが開発する「アーキタイプ・ブルー」(PC / Nintendo Switch)を紹介しよう。リリース時期は未定だが,日本語対応が決定している。



 本作は,ファンタジー世界を舞台にしたデッキ構築型ローグライクだ。全6チャプターの作品だが,1つのチャプターには約5時間かかるという異色作なので,プレイ感はRPGのほうが近いかもしれない。ストーリーを楽しんだり,キャラクターを育成したりする要素を,デッキ構築型ローグライクのフォーマットに落とし込んだ作品だと感じた。


 スタジオの代表であるシン・ウォンチョル氏は,文学系の本を出版したり,美術の展示会を開催したりした経験のあるアーティスト気質の人物だ。そのため,カードゲーム的な要素よりも,ストーリーやアートに重きが置かれている。既存のデッキ構築型ローグライクが味気ないと感じていた人には,ぜひおすすめしたい。

 とくにキャラクターのステータスに相性の項目があるのは新鮮に感じた。この数値は変動するので,最初は仲が悪かったキャラクターとも親交を深めることができる。約50種類のキャラクターが存在し,キャラクター同士の関係性に応じた豊富な会話も用意されているという。

キャラクターの背景色は,将来的にコスプレをしてもらうときのイメージカラー。「仮面ライダー」に影響を受け,各騎士の決めポーズも用意したとのこと

 また,今回はシン・ウォンチョル氏へのインタビューも実施できた。

4Gamer:
 Codename Bomはいつから活動していますか。

シン・ウォンチョル氏(以下,シン氏):
 2022年の12月に設立したスタジオで,これが初めてのゲームです。設立の3か月前から制作しているので,開発期間は2年弱になります。

4Gamer:
 設立当初のメンバー数と,今のメンバー数を教えてください。

シン氏:
 最初は3人で,今は10人です。「東京ゲームショウ2023」に出展した際にグラフィックスの弱さを実感したので,それ以降メンバーを増やしてグラフィックスを一新しました。

以前のグラフィックス
今のグラフィックス。日本市場を強く意識したという

4Gamer:
 制作は全体の何%くらい進んでいますか。

シン氏:
 30%くらいです。

4Gamer:
 リリースはいつ頃になりそうですか。

シン氏:
 まずは,2025年の上半期に2つのチャプターをリリースします。また,アドベンチャーゲームとして制作しているストーリーモードも,あわせてリリースする予定です。

4Gamer:
 影響を受けた作品はありますか。

シン氏:
 「十三機兵防衛圏」が好きで,キャラクター同士の会話から影響を受けました。ファンからは「韓国のヴァニラウェア」と呼ばれています(笑)。

4Gamer:
 どうしてデッキ構築型ローグライクというジャンルを選んだのでしょう。

シン氏:
 私自身はデッキ構築型ローグライクの大ファンというわけではないのですが,2年前に韓国でこのジャンルが大流行していました。そこで,自分の表現したい「キャラクター同士の会話」と組み合わせてコンテストに出してみたところ,賞をいただけたので起業することにしました。

4Gamer:
 表現したい要素について詳しく教えてください。

シン氏:
 韓国では最近,「からい」という意味の言葉を「しんどい」「大変」といった意味で使います。このゲームは「からいゲーム」を目指していて,プレイヤーにはしんどい経験と,それを乗り越える体験をしてほしいです。人生には大変なこともあるけれど,それを乗り越えると幸せが待っているということです。日本の方には漫画「ベルセルク」のような感じと言えば伝わるでしょうか。また,タイトル名の「ブルー」にも憂鬱という意味を込めています。

4Gamer:
 けっこうハードな展開が待っていそうですね。最後に日本のプレイヤーに対してメッセージをお願いします。
 
シン氏:
 日本はメインの市場として認識しています。Codename Bomの「Bom」には韓国語で「見る」という意味があります。作品を楽しんでいただきたいのはもちろんですが,私たちのスタジオが成長していく過程にも注目し,見守っていただきたいです!
 
後列の右から2番目がシン氏



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