2024年8月16日〜18日,韓国の釜山で開催中のインディーゲームイベント「BIC 2024」で,都市伝説「バックルーム」(Backrooms)をテーマにしたタイトルを見かけた。Hypercentが開発する「Backroom Company」だ。
 どこかで見た防護服を着込んで無機質な迷路をさまよう姿……これはやはりバックルームモノのフォロワータイトルなのだろうか。「Company」という名前も気になり,ブースでゲームの詳細を聞いた。


 実のところ,いくつもリリースされている「Backrooms」シリーズとも呼べる作品群は,Open IPである「Backrooms universe」の“Co-opホラーマルチプレイヤーゲームセット”を利用して制作されている。本作もこのIPを利用しており,見た目が同じなのも当然だったわけだ。


 そんな本作の世界には,バックルームにランダムでつながる超自然現象「Noclip」を研究する謎の会社が存在している。どういう経緯で設立されたのかは分からないが,その会社は多くの探検家を雇って,バックルームの迷宮を探索させているのだが,ほとんどが原因不明の失踪を遂げているという。まあ,まあ,行き先がバックルームじゃ,そうなるよねぇ……。

 プレイヤーは,先に送り込まれた探検家たちが残した痕跡をたどりながら,バックルームにある奇妙なアイテムを持ち帰り,メインコントロールルームの「dumbwaiter」に送ってお金を稼ぐ。
 ここで,「あ,これって『Lethal Company』のフォロワーだった」と気づくわけだが……なるほど,宇宙船で星をめぐってスクラップを集めるのではなく,ここではバックルームをめぐるというわけか。


 最大8人のプレイヤーによるCo-opに対応しており,アイテムの所有枠は5つ。また,7〜8秒だけ使えてリチャージ(自動)が必要な暗視カメラも最初から利用できる。プレイヤーはアイテム所有枠内のアイテムを持ち帰り,換金するという仕組みだ。なお,3回全滅するとゲームオーバーにとなるとのこと。
 稼いだお金は,そのセッションをクリアするための資金(ノルマ)を残しておく必要があるが,余れば,コントロールルーム内でさまざまなアイテムを購入できる。アイテムの中には,高額ながら,銃器も存在するようだ。


 バックルームでの滞在時間は約10分ほどで,少し短いかと思ったが,メインコントロールルームを出ると,そこがすぐにバックルームであり,移動にかかる時間は考えなくていい。
 むしろ問題は,バックルームのクリーチャーがコントロールルームまで追いかけてくることだろう。クリーチャーとは遭遇率が高いらしく,音を出してはダメといった,それぞれの特徴を把握したうえで,じっくり探索する必要がありそうだ。
 今回の試遊でも誰かが連れてきた巨大なクリーチャーに,いきなりコントロールルームで襲われて怖い思いをした。ドアを閉める暇さえなかった。

クリーチャーは,おなじみのスマイラーなど以外,ゲームオリジナルのものを含めて10種類ほど出現するそうだ

 HypercentのCEOであるキム・ジュワン氏によると,この作品をベースにした,バックルームのクリーチャーとWave形式で戦う4人プレイのFPS「Cleeners」を制作するという。
 「Backroom Company」のデモ版は海外のストリーマーに取り上げられたが,ゲームに慣れてくると,購入した武器でクリーチャーと戦い始めてしまうのだとか。それならばと,クリーチャーたちと戦うゲームを作ってみようということらしい。バックルーム(探索エリア)と換金場所の距離が近く,買い物しやすいところも影響があるんだろうなと思わせるエピソードだった。

 現時点で日本語サポートの予定はないが,英語でプレイ可能だ。アーリーアクセス版を近日中にリリースする予定なので,興味があればウィッシュリストに登録して,動きを追ってみよう。

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