コナミデジタルエンタテインメントは2024年7月30日,「『桃鉄ワールド』体験会イベント」を東京学芸大学附属小金井小学校にて開催した。このイベントでは,同校の児童約30名がSwitch用ソフト「桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜」(以下,桃鉄ワールド)のプレイを通じて,世界の国旗について学んだ。


 「桃鉄ワールド」は,プレイヤーが社長となり,各地の物件を手に入れながら総資産ナンバーワンを目指す「桃太郎電鉄」シリーズの最新作だ。本作は,シリーズ初となる球体マップで地球を表現。世界各国の366都市を物件駅として収録しており,グローバルな舞台で最大4人対戦のすごろくゲームを楽しめる。


 もともと「桃鉄」シリーズは,そのゲーム性を生かして,日本国内各地の名産・名所などの知識を遊びながら身に付けられるといった特徴が,教育関係者から注目されていた。それを受けて,2023年から「桃太郎電鉄 教育版Lite 〜日本っておもしろい!〜」(以下,桃鉄 教育版)が学校教育機関に無償提供されており,2024年3月には同作のID発行数が7000を超え,そのうち小学校は約4000校(全国にある小学校の約20%に相当)におよぶこともアナウンスされている。

 「桃鉄ワールド」もまた,世界の地理や国際事情などを学べるゲームとして教育関係者から注目を集めている。ただ,学校に導入されているGIGAスクール対応端末上で動作する「桃鉄 教育版」とは異なり,プラットフォームがゲーム機だからということもあってか,学校教育機関からの問い合わせはほとんどないという。


 そこで今回,「桃鉄ワールド」で世界について学べることをあらためてアピールするべく,かねてより「桃鉄 教育版」を導入している東京学芸大学附属小金井小学校の協力のもと,コナミデジタルエンタテインメントが本イベントを企画したというわけだ。

 本イベントでは,世界各国に関する知識の中でも国旗がフィーチャーされた。プログラムは「桃鉄 教育版」の活用実績がある東京学芸大学附属小金井小学校側にもアドバイスをもらいながら構成されたという。
 今回の参加者が小学1年生から6年生までの児童と年齢の幅が広いため,多くの生徒が興味・関心を抱ける題材として,選ばれたのだそうだ。


 イベントでは,まず国旗の概要が紹介され,次にどの国旗がどの国のものであるかを参加者各自が回答する国旗クイズを実施。続いて学年別の3〜4人のグループごとに「桃鉄ワールド」を1時間強プレイし,その結果として,好きな国旗や気になった国旗およびイベントの感想などを発表。そして最後に,参加者が再び国旗クイズに挑むという流れとなった。

 国旗の概要紹介では,国旗がその国を象徴する大切なものであり,汚れていたり,一部が欠けたりした状態で使用するのはマナーに反することや,デザインにさまざまな意味が込められていることなどが紹介された。
 またモナコとインドネシアの国旗は,一見同じデザインだが,実は縦横比や色味が微妙に異なっていることや,長方形だけでなくさまざまな形の国旗があることなども紹介された。


1回めの国旗クイズ。全体的に正答率がそこそこ高かったように思えたが,パリ五輪開催中だったので,国旗を見る機会が多かったからかもしれない

 「桃鉄ワールド」のプレイでは,「桃鉄 教育版」などシリーズの経験者が集まったと思われる高学年のグループがサクサクとゲームを進めていく。その一方でゲーム機のコントローラを持つことすら初めてという参加者もいて,グループ内のシリーズ経験者が操作を教える一幕も見受けられた。
 しかし時間が経つにつれて,いずれのグループもヒートアップしていき,最初はおぼつかない手つきでプレイしていた参加者も,自身の出したゲーム内の成果に手を叩いたり飛び上がったりして喜びを表していた。


 発表では,プレイ中に印象に残った国旗としてトルコやイタリア,ブータン,サウジアラビア,アルゼンチン,ネパール,スイス,アメリカなどの名前が挙がった。
 またイベントや「桃鉄ワールド」について,「すごろく形式で世界のことが学べるので,勉強が嫌いな人にも向いている」「いろんな国を回って,それぞれの国旗について知ることができた」「勉強になるので毎日やりたい」といった感想が挙がっていた。


2回めの国旗クイズ。1回めよりも正答率が高まったと喜んでいる参加者の姿も見られた


 イベントの最後には,「桃鉄ワールド」のロード画面に表示される社長(プレイヤー)の説明テキストと,エンディングで表示される「毎日が 桃太郎電鉄のような 平和な日々で ありますように!」というテキストを紹介。スタッフによる「国旗を大切にして,よりよい未来や平和な日々を作ってください」という呼びかけとともに,サプライズで参加者全員に「桃鉄ワールド」がプレゼントされることが告げられると,会場はイベント最大の盛り上がりを見せていた。

会場からの退出時,参加者に「桃鉄ワールド」が手渡された

 こうしたイベントは,コナミデジタルエンタテインメントとしては初の試みだったとのことだが,担当者によれば,今後も機会があればゲームを教育に生かした活動を続けていきたいと意欲を見せていた。シリーズの今後の動向に期待したいところだ。

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