Appleが月額900円(税込)/年額6000円(税込)でiPhone / iPad / Mac / Apple TV向けに提供している,ゲームのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」。広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されているこのサービスの中から,4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していくのが,この連載だ。

 第7回では,KONAMIの「悪魔城ドラキュラ」シリーズ最新作「悪魔城ドラキュラ - Grimoire of Souls(グリモア オブ ソウルス)」を紹介する。


「悪魔城ドラキュラ - Grimoire of Souls」


リリース日:2021年9月17日
配信元:KONAMI
開発元:KONAMI
対応端末:iPhone / iPad / AppleTV / Mac
ゲームパッド対応:○

オススメポイント
1.「悪魔城ドラキュラ」シリーズの人気キャラクターが集結!
2.スマホでも快適に楽しめる操作設定とゲームデザイン
3. キャラクターの育成やハクスラなどやり込み要素も充実


 本作は,2014年の「悪魔城ドラキュラ Lords of Shadow 2」(PlayStation 3 / Xbox 360)から,約7年ぶりのシリーズ完全新作として2021年にリリースされた。元々はF2P仕様のスマートフォンタイトルとして開発されていたものの,国内でのリリースは見送られ,内容の一部をあらためたうえで,Apple Arcadeタイトルとしてリリースされたという経緯がある。

小島文美氏のアートを採用したプロローグ。ドラキュラが封印されるまでの物語が語られ,ゲーム冒頭につながっていく演出は見どころ

 過去のシリーズで語られた魔王「ドラキュラ」の伝説が記された「魔導書」の暴走により,闇の力が流出して世界に魔物が現れ始める。その知らせを聞いた日本の諜報機関に所属する有角幻也(ありかどげんや,その正体はアルカード)は,魔導書を管理・研究する組織エルゴスの協力により,魔導書の中へと入り込み,闇の流出を止めるために奔走する。


 ゲームは初期シリーズを思わせる正統派のジャンプアクションで,ステージをクリアすることで物語が進行していく。プロローグの終わりからチュートリアルステージが始まり,基本的なアクションはここで身に着けられる。
 通常の場合,操作は移動と特殊攻撃はフリック,ジャンプやスライディングはタップで行うスタイルで,メイン武器での攻撃は敵に近付くと自動で繰り出されるセミオート操作が採用されている。しかしこれはあくまでスマートフォン準拠の操作で,画面のアイコンをタップすればセミオート操作の攻撃をオフにし,任意に攻撃することも可能だ。

冒頭のプロローグから続くチュートリアル。共通の操作はここで確認できる。こちらはゲームパッド使用時の画面

 もちろんゲームパッドにも対応していて,これを使った場合はプレイフィールが飛躍的に向上し,本作のアクションゲームとしての面白さを実感できるはず。ステージはそれほど長くないので,スマートフォンゲーム準拠の手軽なプレイもできるが,腰を据えてプレイするのであれば,ゲームパッドの使用をオススメする。


 プレイヤーキャラクターとなるのは本来の姿に戻ったアルカードのほか,シモン・ベルモンド,マリア・ラーネッド,シャーロット・オーリン,シャノアといった過去シリーズで活躍した主人公達。好みで選ぶのもいいが,攻撃手段やアクション,取得するスキル,装備するサブウェポンなどがそれぞれ異なるため,ステージの構造や敵に対しての得手不得手を考慮しつつ,キャラクターを選択して攻略していくのも面白い。
 また,ゲームには「アルターアーツ」という,プレイ中に溜まったゲージを消費してサブキャラクターと交替するシステムがあり,ここではリヒターやアルバス,ジョナサン,「月下の夜想曲」のマリアといったキャラクターが登場し,固有の能力でメインキャラクターをサポートする。ちなみに,2022年5月の大型アップデートでは,来須蒼真とラルフ・C・ベルモンドの2人がアルターアーツに追加されている。

キャラクターはゲームを進めると追加されていく。それぞれにレベルがあり敵を倒すとレベルが上がるRPG的な要素もある

 魔導書内のステージは「クエスト」として複数が存在していて,クリアすると次へと進むことができる。場所によっては分岐もあり,挑戦し甲斐のある内容になっている。
 「悪魔城ドラキュラ」シリーズ特有のヒリヒリとした難度こそ抑え気味ではあるものの,特定の壁を破壊するとアイテムが出現したり,動く足場や釣り天井などのギミックが点在したりする,シリーズならではのゲームデザインは健在だ。

魔導書内のステージ。分岐ポイントはステージ内に存在する

 前述のとおり,ステージの開拓にはキャラクターの能力が必要で,要所に隠されたアイテムや「チャレンジ」と呼ばれる条件を満足したときのボーナスもあるので,何度でも挑める仕様だ。


 キャラクターは装備や能力を開放・強化することができ,ステージ内やクリア報酬で入手するアイテムがそのカギを握っている。とくに「ジェム」は重要な存在で,メイン武器の強化や「召喚」と呼ばれる装備ガチャ,ゲームのコンティニューにも使用するので不足気味のときは周回プレイなどでしっかり集めていきたいところ。

ステージが進むと敵が強くなり,弱い状態ではザコも倒すことが難しくなる。キャラクターのレベルとともに,装備の強化や能力の取得は常に意識すべきポイントだ

「召喚」はガチャ的な要素だ。1日1回,もしくはジェムを消費して任意に行える。武器のほか,防具なども入手できる

 追加課金要素がない本作は,ジェムをはじめとするアイテムは報酬などで比較的容易に手に入るバランスに設定されているものの,無計画に消費するとあとあと厳しくなるので,使いどころはよく考えたい。
 ログインによるデイリーボーナスや報酬の量が変わる難度変更,特定のアイテムを指定して実行するとステージをプレイせずに報酬を得られる「簡易探索」など,プレイヤーをサポートする要素をうまく利用しよう。


 シリーズの人気キャラクターの参戦や,ムービーシーンのアートに小島文美氏を起用するなど「悪魔城ドラキュラ」シリーズのコアなファン寄りに作られている印象を受ける本作。「Beginning」や「Vampire Killer」「シモンのテーマ」など,シリーズの名曲のアレンジバージョンも多数収録されていて,プレイ条件を満たせばこれらを任意に楽しめる「ミュージックモード」があるのもうれしいところ。

山根ミチル氏によるサウンドは必聴。音が聴こえる環境でのゲームプレイを推奨したい

 その一方でキャラクター入手時や能力取得時に便利なトレーニングモードが用意されるなど,アクションゲームとしてもしっかりと作り込まれていて,ストーリーも単独で楽しめるよう構築されている。「悪魔城ドラキュラ」シリーズに関する知識がなくても,本作からシリーズに入っていくこともできるだろう。
 ここまでしっかり作り込まれたアクションゲームがApple Arcadeで手軽にプレイできることにはきっと驚かされるはず。サービスに加入してでもプレイする価値のある大作だ。


Apple Arcade:月額900円(税込) / 年額6000円(税込)
Apple One:月額1200円(税込)
※「iCloudプラス(50GB)」「Apple TV+」「Apple Music」「Apple Arcade」を利用可能


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