テクノツールは、車いすユーザーを中心とするeモータースポーツチーム“TECHNO eRACING”(テクノイーレーシング)を開始する。

 車いすラグビーの元日本代表として活躍した庄子健氏や三阪洋行氏など、錚々たるメンバーがチームに所属。レース大会・イベントへの参加や、操作用デバイスの開発を通して、肢体不自由のある方に運転や勝負を通した新しい体験の提供と、社会参加の機会創出を目指していく。

以下、リリースを引用

車いすユーザーによるeモータースポーツチーム「TECHNO eRACING」が始動

肢体不自由者向け入力機器の企画、開発、販売や就労支援事業を行うテクノツール株式会社(本社:東京都稲城市、代表取締役:島田真太郎)は、車いすユーザーを中心とするeモータースポーツチーム「TECHNO eRACING」を開始します。
本チームではペダル型やハンドル型のコントローラーに縛られず、多様な身体的特徴に合わせた操作方法によって車いすユーザーがeモータースポーツに挑みます。レース大会・イベントへの参加、操作用デバイスの開発を通して、肢体不自由のある方に運転や勝負を通した新しい体験の提供と社会参加の機会創出を目指します。またチーム活動を通して、テクノロジー活用やルール次第で発揮される個性や可能性があることを発信し、パートナー企業と共に障害分野におけるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を促進する価値共創を目指します。本チームのパートナーに関心のある企業様は下記フォームよりお問い合わせください。

活動の目的

テクノツールは「本当の可能性にアクセスする」をスローガンに、1994年の創業以来、肢体不自由者の社会・経済参加を後押しするためにPCやスマートフォン、テレビゲーム向け入力デバイス等の開発および輸入販売事業を行っています。近年は入力デバイス等を活用して参加できる機会自体を創出する目的で就労支援事業も行っています。

テクノロジー活用と機会創出によって発揮される新たな個性や可能性は、新たな視点やアイデア、マーケットや労働力をもたらし、よりよい社会づくりの原動力となります。また誰もが障害者やその関係者となる可能性がある以上、身体の状態に関わらず参加できる社会、経済をつくることは誰にとっても価値があると、私たちは考えています。TECHNO eRACINGではeモータースポーツを通じて当社のスローガンを実践し、賛同いただける企業等との価値共創を目指して活動していきます。

活動の詳細

TECHNO eRACINGでは、競技活動と価値共創を相互に連動させて進めてまいります。

1.競技活動
練習や操作用デバイスの開発等により競技力向上を図り、レース大会やイベントに参加します。最初の目標として「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」の予選に4名の選手が参加することを目指します。

2.価値共創
当社が有するノウハウと所属レーサーの多様な個性を活かして、賛同いただける企業等との価値共創を図ります。身体の状態に関わらず参加できる社会経済づくりのための対話や学び、商品開発、雇用創出等に関心のある企業様は下記フォームよりお問い合わせください。

価値共創のイメージ

  • チームの活動を通じたブランド認知の拡大
  • 多様な身体的特徴をもつ人たち向けの商品開発や雇用促進
  • 遠隔操作ロボット・モビリティ等のインターフェース開発支援
  • 障害児教育におけるeモータースポーツおよびゲームコンテンツの活用
  • 講演や対話、対等に競う体験等を通じた社員教育、社員エンゲージメント向上支援

活動の経緯

テクノツールは一般財団法人トヨタ・モビリティ基金主催の「Mobility for ALL ~移動の可能性を、すべての人に。」に、2022年より3年連続で採択されています。フェーズ3となる2024年は、eモータースポーツチームの活動を起点に障害分野におけるDE&Iを促進する事業づくりを目指しています。過去2年間の活動内容は次のとおりです。

  • Mobility for ALL

1.フェーズ1(2022年)
ペダル型、ハンドル型コントローラーが使用できなくてもeモータースポーツを楽しめるレーシングシミュレーターを開発しました。実証実験では、ご来場いただいた車いすユーザーの方々にシミュレーターを体験いただき、操作方法に関するニーズを調査しました。

  • Mobility for ALL公式レポート
  • トヨタイムズ
  • 当社レポート

2.フェーズ2(2023年)
フェーズ1の調査結果を基に操作用デバイスを改良し、2023年9月2日(土)、3日(日)にモビリティリゾートもてぎ(所在地:栃木県茂木町)にて行われたバーチャル耐久レース「クロスラインレース」に参戦しました。本レースイベントは同コンテストに採択された株式会社ePARA(代表取締役:加藤大貴、所在地:埼玉県戸田市)「クロスライン-ボクらは違いと旅をする-SEASON2」の実証によるもので、当社を含めた全4チームが参加しました。異なる身体的特徴のあるレーサーであっても、それぞれに適した操作環境をつくることで、運転経験を問わず一定レベルでのドライビングが可能であることを示しました。

  • Mobility for ALL公式レポート
  • クロスライン-ボクらは違いと旅をする-

チーム情報

概要

  • チーム名:TECHNO eRACING
  • 所属レーサー:4~5名(予定)
  • X(旧Twitter)

所属レーサー

干場慎也(ほしばしんや)

  • 身体の状態:脊髄性筋萎縮症(SMA I型)による全身の筋力低下
  • 使用機材:市販の障害者向けコントローラー
  • コメント:テクノツール株式会社で広報を担当しています。実際の車を運転したことが無い状態での挑戦でどこまで勝負できるのか、これから楽しんでいきます。

太田詔(おおたしょう)

  • 身体の状態 :中心核ミオパチーによる四肢遠位優位の筋力低下(特に下肢)
  • 使用機材 :ハンドル型コントローラー、手動装置、シフトスイッチを複合使用
  • コメント :幼少期から脚力が弱かったのですが、免許取得後1987年にBライセンス、1989年にAライセンスを取得しモータースポーツに参加してきました。
    25年前から筋力低下が進行し、検査を経て診断がおりました。
    2022年にスポーツ走行から引退しましたが、ハンドドライブシミュレーターに出会い、新たな可能性に挑戦します!

三阪洋行(みさかひろゆき)

  • 身体の状態:頸髄損傷
  • 使用機材:ハンドル型コントローラー、手動装置、シフトスイッチを複合使用
  • コメント:2004アテネ、2008北京、2012年ロンドンパラリンピック出場
    現在はJPC、APCのアスリート委員長、一般社団法人D-beyond の代表理事としてパラスポーツの普及、障がい者の理解啓発に取り組んでいます。
    eレーシングという活動を通して、誰もが何にでもチャレンジできる可能性を持っていることを伝えて行きたいと思います。

庄子健(しょうじたけし)

  • 身体の状態 :頸髄損傷
  • 使用機材 :ハンドル型コントローラー、手動装置、シフトスイッチを複合使用
  • コメント :車いすラグビー元日本代表
    2012年ロンドンパラリンピック4位、2016年リオパラリンピック銅メダル
    現在は国内クラブチームで車いすラグビー選手として活動すると共に一般社団法人D-beyond の理事としてパラスポーツの普及や障がい者の可能性などを発信。
    障害により指が動かない中どれだけやれるのか楽しみです。

運営メンバー

中塚智恵(なかつかちえ)

  • 経歴:新規事業開発担当、理学療法士として2021年より参画。eモータースポーツ事業の立ち上げ、企業や自治体とのDE&Iの共創に向けた事業企画に従事。
  • コメント:身体的特徴に応じて操作環境を調整し、チームで大会に挑みます。また、レーサー、開発、専門家の異なる視点を集約することで、運転環境や商品開発に新たな視点をもたらします。企業との連携で活用技術や検証フィールドを拡げ、新たな価値創出や可能性を世の中に送り出していきます!

※他の所属レーサーは決まり次第、チームのSNSアカウントでお知らせします。

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