著者近影
 適当に入ったラーメン屋のラーメンが美味しかったらうれしくなります。タクシー乗り場が混んでいたから,そこで待たずにちょっと歩くことにして,その道すがらタクシー拾えたらうれしくなります。モーニング娘。の歌詞にもあるように,好きな人が優しかったら,そらうれしくもなります。
 要するに自分のちょっとした選択が正解だったとき,人間はうれしくなってしまうって話ですね。

 ええ,先週の連載で「めちゃくちゃ気になってます」と述べた「SAND LAND」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4)がめちゃくちゃ面白くてうれしいんですよ,私は。いや,かなり面白いぞコレ。

 「SAND LAND」はいわゆるアクションRPGなんですけども,原作を知ってなくても全然問題ないです。私がそうだから。
 鳥山 明先生の原作マンガのゲイム化なんだけども,しっかりと鳥山 明ワールドを味わえます。それでいて,作品性がゲイムの邪魔をしていないという。


 簡単に説明すると,砂漠(ゲームを進めると別の世界もあるらしい)を自由に動き回って素材を集めつつ,マシンを作り上げたりパーツを強化したりするゲイムなんですね。言ってしまえば「お使いゲイム」なんですが,全然ストレスがないお使いなんですよ。
 オープンワールドのゲイムに必要な要素ですね。「結局はお使いだけど楽しい」ってのは。

 その理由には,自分が強くなったのが実感できるっていうのもあるし,街が発展するという分かりやすい形でお使いが苦じゃなくなるゲイム性だからでもあります。そして,見た目が鳥山先生の世界観だというのはとても大きい。
 いや,ホント面白いっす。もっと話題になって売れないとダメですよ,このゲイムは。みんな,ノーマークでスルーするのはもったいないですよ。結果的にスルーするにしても,一度検討してみていいんじゃないでしょうか。それくらい思いがけずに面白いです。


 私も最初は鳥山先生への敬愛の念からプレイし始めたものの,単純にゲイムとして面白かったので驚きました。難度を選べるとはいえ,NORMALでちょうどいいです。
 ちなみに,私は死にゲイが苦手な腕前です。そんな私でも大丈夫。何がちょうどいいって,相手の攻撃を食らいすぎたら死んでGAME OVERになるんだけど,「ちゃんと意識して回避すれば倒せる」という至極真っ当な作りであることです。
 もっと簡単に言えば,強引に行ったら死ぬ,丁寧に戦えば勝てる。そのまんまだけど。

 主人公がベラボーに強いわけでもなく,敵がアホみたいに強いわけでもなく。いや,もちろん敵のレベル次第ではあるんですよ。ただ,フィールドの敵はレベルが表示されているので,現時点で戦っていい敵とそうでない敵は見分けがつきます。
 こういった公平感というか納得感も,このゲイムがしっかりと作られていることの証左かなと思います。とにかく何もかもの作りが丁寧なんですよ。ファストトラベルも手軽だし,なんてことない洞窟を探検するのも楽しい。
 GAME OVERになったあとのリスタートも,納得の範囲内で戻される。ここに関しては,どの宝箱を開けたあとなのかが分からなくなることもあるけども,それがイヤならこまめにセーブをすればいい話だし。


 強いて言いたいことがあるとすれば,ワンボタンでロボに搭乗したかったところですかね。それも欲を言えば,のレベルです。
 とにかくこの世界にいることが楽しい。賞金首の概念もワクワクするし。書いてて気づいたんだけど,「METAL MAX Xeno」が好きだった人は楽しめる要素が多いんじゃないかしら。
 というわけで,何の気なしに買って遊んでみた「SAND LAND」が思ってた以上に面白かったという,ゲイマーならではの喜びを味わいました。

 いや,やはり鳥山 明先生は偉大だったんだなと思います。今作がどうって話とは別に。だって,開発した方々はめちゃくちゃ気合が入ってたと思いますよ。先生の顔に泥を塗るわけにはいかないわけじゃないですか。原作の力に頼るでもなく,原作の魅力を生かしつつ,ちゃんとゲイムとして面白いものに仕上げた。
 これには本当に頭が下がる思いです。鳥山先生に対しても,このゲイムを開発した方々に対しても。Win-Winの関係ができている「原作ものゲイム」だと私は思いました。


 たぶんですが,このゲイムをクリアしたら,原作の「SAND LAND」を読もうと思います。今はまだ原作に引っ張られたくないという気持ちがあるので,読まない状態でプレイし続ける予定ですが。あらためて,鳥山 明先生に「私の人生を豊かにしてくださってありがとうございました」と心の中で祈りたいと思います。


 そんな感じでしばらくは「SAND LAND」を遊ぶことになりそうなのですが,それとは別に「FOREVER BLUE LUMINOUS」が気になってます。我がことながら,浮気性で困っておる。
 とはいえ,今作の売りであるオンラインモード「みんなでダイビング」は,私にはハードルが高い。ホラ,私ってコミュニケーション苦手じゃん? 現実に誰かとダイビングするなんて,考えただけでも身の毛がよだちます。そもそもダイビングをやる自分が想像できないです。だからこそ,ゲイムでならヤってみようと思うわけですけども。
 もしオンライン前提の作りであるならば,ちょっと私には荷が重いかなあと悩んでいる最中ですが,今週はずっと悩むことにします。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball 2024」
PlayStation 5:「Rise of the Ronin」
PlayStation 5:「SAND LAND」
Nintendo Switch:「百英雄伝」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,本日(2024年5月16日)17:30より東京・上野恩賜公園野外ステージ大会「初夏のビアガーデンプロレス【DAY1】」を,明日(5月17日)17:30より東京・上野恩賜公園野外ステージ「初夏のビアガーデンプロレス【DAY2】」を,5月19日16:00より大阪・大阪市住吉区民センター大会「ドラマティック・ドリームズ!Vol.11 〜松井幸則レフェリー30周年記念大会・おもしろき 四角いこの世を おもしろく〜」を開催します。ディーノ選手は16日に「初夏のビアガーデン名物ドキドキ!特殊ルールマッチ」に,17日には「男色ディーノ生誕前夜記念試合〜スペシャルシングルマッチ」に(特別レフェリーとして),19日には「バラエティー班四天王によるいやはやとんでもないタッグマッチ」に出場します。なお,18日に47歳の誕生日を迎える件についてディーノ選手は「46になるときはそうでもなかったけど,47ってなんかくるものがある」と語っていました。

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