HoYoverseのスペースファンタジーRPG「崩壊:スターレイル」(PC/PS5/iOS/Android)は,2024年4月26日に1周年を迎える。本作は,“銀河鉄道の旅”をテーマにしたコマンドRPGだ。
いまさら「どこがどう面白い」なんてことを説明するまでもなく,昨年,Googleの「ベストゲーム2023」,Appleの「ベストiPhoneゲーム」,The Game Awards 2023の「BEST MOBILE GAME」などを受賞し,モバイルゲーム市場を席巻したあたり,魅力まみれであることは世に証明済みだろう。
本作最大の欠点を挙げるとすれば,最も興味を持ちそうな人は,すでに同社の「原神」(PC/PS5/PS4/iOS/Android)を遊んでいて,「どっちも遊ぶ暇はないわ!」ということではないかと思う。いや,面白いよね,原神。「元素反応」という独自の要素を盛り込んだ奥深いアクション戦闘。自由度の高いワールド探索。魅力的なキャラクターたちが織りなすストーリー。筆者もずっと楽しくプレイしている。
一方で,ぶ厚すぎるストーリー(スキップ機能なし),デカすぎるマップ,途方もない量の探索要素,次々に投入されるイベントと,最新コンテンツを追っていくと時間がかかるゲームなのは間違いない。
ただ,1周年を迎えた今の崩壊:スターレイルも,本当に面白くてオススメなのだ。とくに,原神でHoYoverseが描くキャラクターたちの魅力を知っている人なら,大いに楽しめるはず。そこで今回は,「原神だけでお腹いっぱいだから,新しいゲームを始めるのをためらっている」という人に向けて,ずっと原神と並行して遊んできた筆者が,「意外とどっちも遊べる」ということをお伝えしていきたい。そして布教したい。
星穹列車に乗り,銀河の旅へ!
まずは本作について軽く紹介しておこう。ストーリーを一言で説明するなら,「記憶をほとんど持たない主人公が,星穹列車の乗客となり,旅の先々で起こる危機に立ち向かう物語」といったところ。星穹列車とは,宇宙を渡り歩くことができる神秘的な列車のことで,この列車に乗って旅をする乗客たちは「ナナシビト」と呼ばれる。
バトルシステムはターン制のコマンドバトルRPGで,プレイヤーは4体のキャラクターを編成し,通常攻撃,戦闘スキル,必殺技の3つを駆使して戦う。必殺技だけは,ほかのキャラクターや敵のターンに割り込んでいつでも発動可能であり,ピンチのときは,相手の攻撃に合わせて回復の必殺技を使うなどの戦略性がある。
戦闘スキルは,通常攻撃よりも強力な攻撃や,バフやデバフ,回復などを行えるがSPというポイントを消費する。SPはパーティ共通のポイントで,通常攻撃を行うことで回復できる。
また,必殺技はEPが最大になると使えるようになる。EPは,通常攻撃や戦闘スキルなどなんらかの行動を行うと溜まる,キャラクターごとの個別のポイントだ。
本作独自の重要なシステムとして「靭性」と「弱点撃破」というものがある。靭性とは敵の体力の上にあるゲージのことで,「弱点属性」の攻撃をすると,このゲージを削れる。敵の靭性が0になると,その敵は弱点撃破状態になり,追加効果が発生し,敵の行動を遅延させるなどの有利が得られる。
属性は「炎」「氷」「雷」「風」「虚数」「量子」「物理」の7種類があり,キャラクターごとに決まっている。キャラクターそれぞれに個性があるため,パーティの組み立ては戦略的で奥深い。
ただ,バトル自体はシンプルだ。なにせ,各キャラクターが手番でできることは通常攻撃と戦闘スキルの2択のみ。元素反応を軸に考える原神よりも,だいぶ分かりやすいと思う。
本作を始めるのになぜ今がオススメかというと,1周年を記念した配布がオイシイのはもちろんだが,それ以上に,展開中のストーリーが最高に面白いというのが大きい。
正確には,2月6日にアップデートされたVer.2.0の舞台,ピノコニーでのシナリオが面白い。ネタバレになるので何も書けないが,豪華リゾート的な場所であるピノコニーで,一癖も二癖もある登場人物たちのうち,誰が味方か,誰が敵なのか分からない状態のまま,何が起きているのかを探っていくという,陰謀渦巻くミステリー風なストーリーが展開される。
Ver.2.0のクリア後,「頼むから早く続きを見せてくれ!」という状態だったが,3月27日にVer.2.1が実装。現在は「頼むから早く続きを見せてくれ!!!」と,Ver.2.2を待っているところだ。本作の1年間のサービスにおいて,最高に楽しいのがピノコニー展開中の今であり,だからこそ,まだ遊んでいない(&興味を持ってくれそうな)原神プレイヤーに向けて,本稿を執筆しているわけである。時間が経てばネタバレが“常識”に変わる可能性はあるので,一刻も早くプレイして,最新ストーリーに追いついて,フルに楽しんでほしいのだ。
ゲームを始めたらやるべきこと
今すぐ本作を遊んでほしい理由を説明したところで,これから始める原神プレイヤーに向けて,簡単なガイドをお伝えしていこう。
ゲーム序盤は,とりあえずひたすらストーリーを進めていけばいい。始めたばかりの戦闘は「テンポが悪すぎる!」と感じるだろうが,少し進めると,中ボスっぽい敵との戦闘で「バトル2倍速」の機能が使えるようになる。これでテンポの悪さについては大幅に改善されるはずなので,ここで脱落しないでもらえると嬉しい(正直,最初から2倍速が使えたほうがいいと思う……)。
本作はオープンワールドではないため,探索ではなくストーリーを進めることで新しいマップが開放されていく。快適に冒険するために,まずは瞳を集めてスタミナ上限アップ……みたいなこともないので,探索は後回しでもOKだ。また,ストーリー進行とマップ探索は同時にできるので,自然と星玉(ガチャ用の石)も集まってくる。
本作のガチャは「跳躍」という名称で,160個の星玉と交換できるチケットを消費して跳躍を行い,キャラクターや武器相当の「光円錐」を入手できる。レアリティや獲得確率のシステムは原神とほぼ同じで,最高レアリティは星5。天井システムとして,星5が一度もでないまま90回跳躍すると,確定で星5が出現する。星5ピックアップキャラクターの獲得率は50%,ピックアップ光円錐の獲得率は75%で,すり抜け後の星5はピックアップ対象が保障される。
跳躍には,期間限定の跳躍(イベント跳躍)と通常の跳躍(恒常跳躍)がある。そして,星玉を使う先はイベント跳躍だ。限定キャラクターのほうが基本的に性能が高く,引ける機会も少ない。恒常キャラクターは,イベント跳躍でもすり抜けて来るので,プレイを続けていれば自然と集まっていくだろう。
跳躍では原神と明確に違う点が1つあり,それが光円錐のイベント跳躍だ。本作では,いわゆる“餅”(キャラクターのモチーフ光円錐)ごとに跳躍が用意されており,星5でピックアップされるのは1種類のみ。そのため,「ピックアップが当たったけど欲しいほうじゃなかった」という心配はない。そのうえで,星5が当たったときにピックアップが獲得できる確率は原神と同じく75%なので,“餅”はだいぶ入手しやすい。
恒常跳躍は,専用アイテムである「星軌チケット」を入手したときに行うといい。また,初心者限定で用意されている「始発跳躍」は,星軌チケット8枚で10回跳躍ができ,50回以内に恒常の星5キャラクターが獲得できるのでお得だ。
なお,恒常跳躍を300回行うと,恒常の星5キャラクターを選択して1体入手できる。300回は膨大な数に見えるが,星軌チケットの入手機会は意外と多く,石を使わなくても,筆者は開始から8か月程度で到達した。
バトルが意外と高難度,育成やパーティ編成が大事
何も考えずにストーリーを進めていくと,バトルに勝つのがかなりキツくなってくるはずだ。というのも,アクションでごまかしがきく(回避行動などで被弾を防げる)原神と違い,コマンドRPGである本作は,敵の攻撃を受けずに戦うことはできず,パーティメンバー全員をしっかり育てないと苦戦するようにできている。高難度コンテンツではない,ストーリー中で必ず戦うようなボスであっても,普通に全滅しかねない。
そうした壁にぶつかったとき最初に悩むのは,「誰を育てればいいのか」ということだろう。注ぎ込んだリソースが無駄になるのは嫌だし,そもそも序盤は素材がカツカツなので,誰を育てるかの選択は重要だ。というか,本作は育成コストがけっこう重く,ゲームに慣れてもずっとカツカツである。
なので,誰を育てるかはしっかりと決めたい。そんなときに基準となるのが,キャラクターごとに設定された「運命」と「属性」,つまりパーティでの役割だ。
運命は,キャラクターの特性を大まかに表したもので,「壊滅」「巡狩」「知恵」「調和」「虚無」「存護」「豊穣」の7つが存在する。この用語が割と本作独自というか,見慣れないカテゴライズなので最初は覚えにくいが,壊滅・巡狩・知恵はアタッカー,調和・虚無はサポーター,存護・豊穣は耐久サポーターという傾向にある。いや,虚無はアタッカーも増えたな……まぁ例外はあるが,概ねそんな感じだ。
アタッカーはそのまま攻撃役,サポーターは主にアタッカーを補助する役割,耐久サポーターはバリアや回復で仲間を守る役割だと思ってほしい。
そのうえで,パーティを編成するときは「メインアタッカー」「サブアタッカーorサポーター」「サポーター」「耐久サポーター」という編成で役割分担すると,安定しやすい。序盤の育成では,まずダメージを出すためのメインアタッカーと,パーティ全員を支える耐久サポーターから手を付けるといいだろう。
おそらく,そのうち「メインアタッカーと倒したい相手の弱点が合わない」といった問題にぶつかると思うが,そうなったら属性の異なる2体目のメインアタッカーの育成を考えていきたい。
などと言いつつ,一番のオススメはやっぱり「推しを贔屓する」ことだ。育成に対するモチベーションが違うし,そのキャラクターを軸にすると決めたら,ほかに育てたいキャラクターも見えてくるはずだ。
本作において,実装されたキャラクターの性能を後から調整して環境を変化させるといった手法は,原神と同様に行われていない。ただ,新キャラクターの影響で,これまであまり注目されていなかったキャラクターがいきなり強くなるケースが割とあるので,性能的な強弱よりも,好みで育成キャラクターを決めたほうが楽しく遊べるだろう。
ちなみに,育成に関しては原神よりだいぶ分かりやすい。レベルアップの上限突破に特産品集めは不要で,敵を倒して得られる素材だけでできる。そして本作では,原神でいうところの“天賦素材”と,“武器突破素材”は共通のものであり,素材集めの曜日縛りもないので,いつでも育成可能だ。
並行プレイしやすいゲーム性
本作のストーリーはかなりボリュームがあるし,探索も端から端まで終わらせようとすると時間がかかる。ただ本作には,ほかのゲームと掛け持ちしやすい,並行プレイ向きなシステムも盛り込まれている。
まず,本作にはオート戦闘機能が用意されている。本作のバトルは真面目にやるとそれなりに時間がかかるが,ある程度戦力が集まってくれば,ほとんどオートで勝てるようになる。とくに,出現する敵が決まっている育成素材の収集などは,オートでやりやすい。筆者はよく,戦闘をオートで進めながら,原神で探索したりストーリーを読み進めたりしている。
また,本作は原神に比べて,“日課”をこなすのがめちゃくちゃ楽だ。特に,毎日やりたい「デイリー訓練」(石がもらえる)は,開拓力(原神でいう天然樹脂)を雑に消費するだけで終わってしまう。
具体例を紹介すると,育成素材集めの場所にワープして,挑戦回数を最大の6回に設定,フレンドのサポートキャラを1体選んで,オート戦闘で放置。これで開拓力の消費量は60だが,デイリー訓練の消化に必要なのは120。なので,終わったら再挑戦して,また放置。これでデイリー訓練は終わりだ。正確には,ほかにもデイリー訓練の条件はあるのだが,この放置中に勝手に達成している。日課をこなすだけなら,操作時間はめちゃくちゃ短い。
デイリー訓練以外の日課としては,毎週更新のローグライク的なコンテンツ「模擬宇宙」や,原神の「深境螺旋」的なやり込みコンテンツ「混沌の記憶」「虚構叙事」などがある。このあたりは,時間のある週末などにガッツリやるのがいいだろう。ちなみに,毎週やりたい模擬宇宙は,これをクリアした日は,その日のデイリー訓練も完了してくれるので,日課の負担にならない。
育成素材や遺物(原神でいう聖遺物)集めで消費する開拓力は,6分に1回復し,上限は240とかなり高めに設定されている(ちょうど24時間で240回復)。さらに,開拓力が最大になっているあいだは「予備開拓力」が18分に1回復する。予備開拓力は,開拓力と同じように消費できる。
このシステムのおかげで,ログインするタイミングがズレて開拓力が溢れてもガッカリしづらいし,ログインしていない時間が長くなった人も損をしづらい設計だ。
そして,筆者が毎日本作をしっかり遊んでいるのは,「どこでもスマホさえあればフルに遊べる」という理由も大きい。筆者は普段から原神をPCでプレイしているが,スマートフォンではまったくプレイできない。スマホでアクション操作をするのが苦手すぎる。
その点,本作はコマンドRPGなので,ハードによるプレイ感にほとんど差がない。「PCで原神をやりつつ,スマホでスタレのオート戦闘」なんて遊び方がしやすいのも,並行プレイに向いている点だ。
また,これまでの長編イベントが「常時略伝」として残り続けるのも本作の特徴だ。一部の期間限定報酬は受け取れないが,ストーリーは楽しめるし,クリア報酬もちゃんとあるので,後発でも遊びやすくなっている。
今始めるとキャンペーンもオイシイ!
宣伝文句みたいになってしまうが,本作は間違いなく今が始めどきだ。本作では,バージョンアップデートごとに7日ログインするとイベント跳躍のチケットが合計10枚もらえているのだが,今バージョンでは1周年記念ということで合計20枚のチケットがもらえる。さらに,1周年当日の4月26日には,星玉1600個も配布される予定だ。
また,ちょっと前の話をすると,Ver1.6から開始されたキャンペーンで,限定星5キャラの「Dr.レイシオ」が配布されている。「配布キャラだから弱いんでしょ?」なんて思うかもしれないが,ほかの限定アタッカーと同水準で普通にめちゃくちゃ強い(ついでに言葉も強いしキャラのクセも強い)。このキャラ配布はVer2.1が終了するまでなので,今すぐゲームを始めると受け取りに間に合うのだ。
そして繰り返しになるが,声を大にして最も言いたいことは,最新ストーリーがめちゃくちゃ面白いということだ。今後の展開も気になるところなので,これから始める人には,ネタバレを踏む前にはやく最新ストーリーに追いついてほしいという気持ちしかない。旅人の皆さんは,テイワットだけではもったいないので,ぜひ星穹列車に乗って銀河の旅に出かけてほしい。今すぐにだ!
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。