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2025年も食品の値上げが…
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初売りへ スーパーでは割安にした福袋も
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2025年も食品の値上げが…
民間の調査会社「帝国データバンク」が国内の主な食品メーカー195社の発表をまとめたところ、来年1月から4月までに値上げされる予定の食品は、4か月連続で1000品目を超え、6121品目となりました。
ことしの同じ時期に比べて500以上、多くなる見通しで、このペースが続けば、来年、1年間に値上げされる品目数は、ことし1年間に値上げされた品目数を上回る可能性があると指摘しています。
《食品の値上げ 品目別》
▽弁当向けの冷凍食品や缶詰など「加工食品」が2121品目と全体のおよそ3割を占めて最も多く
▽缶ビールやコーヒー製品といった「酒類・飲料」が1834品目
▽「パン」が1227品目、
▽「菓子」が449品目、
▽「調味料」が383品目、
▽「乳製品」が88品目、
▽「原材料」が19品目となっています。
値上げの要因は、「原材料高」が最も多かった一方で、ことしに比べて「物流費」や「人件費」を理由に挙げるケースも増えています。
帝国データバンクは「来年春にかけて値上げラッシュが常態化する見通しだ。物流費や賃上げによる人件費の増加など原材料高以外の要因も増えており、その後も値上げのトレンドが続くと見込まれる」としています。
初売りへ スーパーでは割安にした福袋も
年末年始を前にスーパーでは新年の初売りに向けた準備が進んでいます。物価の上昇が続く中、さまざまな食品をまとめて割安にした福袋を用意するところもあります。
流通大手の「イオン」は来年1月1日から新年の初売りを行う予定で、東京・板橋区の店舗では従業員がクリスマスリースなどの飾りを外して新春と書かれたポスターを掲示するなど正月に向けた準備を進めていました。
この店舗では今回の年末年始は最大で9連休となる人もいるため、帰省先などで集まる機会が増えると見込んで、肉やすしなどで、大人数用の商品を多く取りそろえたということです。
また、恒例の福袋では物価の上昇が続いていることを受けて、小麦粉やコメ、即席めんなど10点を集めて価格をおよそ2割引きにしたものをつくっています。中身がわかるよう袋ではなく、ふたをしていない箱や買い物カートに積み込んだ状態で販売するということです。
また、能登半島地震からまもなく1年となる中、防災意識も高まっているとして、水やクラッカーなどをリュックサックに詰めてそのまま持ち運べる形の福袋も用意しています。
イオンスタイル板橋 浅野裕之店長
「中身がわからない福袋は売れない傾向が強まっているので、消費者が選べる形の福袋も増やしています。物価上昇が続いていますが、新年のいいスタートになる商品を提供したい」
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専門家「円安が価格に影響 流れは来年もしばらく続く」
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は、物価の見通しについて次のように話しています。
ニッセイ基礎研究所 斎藤太郎経済調査部長
「これだけ物価高が定着すると、企業の値上げに対する抵抗は以前よりも和らいでいる。物価上昇で目立つのは食料品の大きな値上がりで、いまの円安が価格に影響してくるので、この流れは来年(2025年)もしばらくは続くだろう。為替が円高方向にふれて、輸入コストが少し落ち着くと、モノの値段はいまほどはあがらなくなるとみている」
そのうえで、来年の春闘については
「ことし(2024年)高い水準の賃上げが実現したが、これを続けないといまの物価高には対抗できない。来年も賃上げの環境は良好でことし並みの賃上げ率になると予想していて消費回復の出発点になる」
そして、来年の個人消費の動向については
「物価上昇率が落ち着き、賃上げ率が高水準を維持すれば実質賃金のマイナス基調はプラス基調に変わっていく。消費にとっての環境は少しずつよくなり、いまに比べれば明るい兆しが出てくると考えている」
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