過去3年以内にメンタルヘルスの不調を経験したことがある20代は、男性で18.5%、女性で23.3%にのぼった

パーソル総合研究所は24日、若手従業員のメンタルヘルスの不調に関する調査結果を発表した。過去3年以内にメンタルヘルスの不調を経験した人は20代で2割にのぼり、他の年代よりも多かった。若年層ほど人目を気にしたり、仕事での失敗を恐れたりする傾向が強く、上司からの叱責でストレスを感じやすいことがわかった。

8〜9月にかけてインターネットで調査した。20〜69歳の男女から、正規雇用者やメンタルヘルスの不調を経験したことがある人などを抽出した。有効回答は3025件。

過去3年以内にメンタルヘルスの不調を経験したことがある人は、20代男性で18.5%、20代女性で23.3%にのぼった。30代男性では15.5%、30代女性では15.0%だったのと比べると20代のほうが比率が高い。

他者からの否定的な評価を避けたい傾向が若年層ほど強いことが背景にある。「人目を気にする」「怒られたくない」などと考える人は若年層ほど多かった。パーソル総合研究所は幼少期〜学生時代に人間関係の対立を経験する機会が減っているほか、SNSなどで人目を気にする機会が増えたことが一因にあると分析する。

メンタルヘルスの不調を「職場内での相談・報告」をした人は46.1%だった。職場内の相談相手(複数回答)は「上司」が30.6%で最も多く、「同僚」の14.6%が続いた。一方で、職場に相談しなかった20代のうち35.2%が退職しており、他年代より退職率が高かった。

職場にメンタルヘルスの不調を相談しなかった理由(複数回答)としては、「相談しても解決につながらないと思った」が34.5%と最も多かった。メンタルヘルス不調になったことが職場に知られたら職場に居づらくなると思うかと尋ねたところ、正規雇用者の38.2%が「そう思う」と答えた。20代では43.9%にのぼり、他の年代よりもその傾向が高まった。 

パーソル総合研究所の金本麻里研究員は「若手は他者からの否定的評価を避ける志向が強く、上司からの叱責をストレスと捉えやすい傾向がある」と指摘する。そのため、「叱責によらない成長支援として、成長につながる業務分担やフィードバックの提供が有効だ」と説明する。

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