宇宙スタートアップのスペースワン(東京・港)は14日、同日午前11時00分に予定していた小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げを中止したと発表した。理由は風のためとしている。新たな打ち上げ日程は決定次第発表する。
2号機はスペースワンのロケット発射場「スペースポート紀伊」(和歌山県串本町)から打ち上げる。予備期間は15〜27日に設定している。初号機の打ち上げでは船舶が警戒区域に侵入したため予定日から延期となっており、今回は早期の周知を徹底するなど対策していた。
カイロスは全長18メートル、重さ23トンの小型ロケット。初号機では内閣衛星情報センターの小型人工衛星を載せて軌道への投入を試みたが、打ち上げ直後に爆発した。2号機では新興や台湾の公的宇宙機関である台湾国家宇宙センター(TASA)の衛星5基を搭載し、打ち上げから約54分後にすべての衛星を切り離す計画だ。衛星を宇宙空間の軌道に投入できれば、日本の民間企業単独で初めてとなる。
スペースワンはロケットによる宇宙への輸送サービスの確立を目指す。2020年代中に年間20回、30年代に同30回ロケットを打ち上げる計画を掲げ、長期的にはロケットを打ち上げる射点の増設も検討する。キヤノン電子やIHI子会社のIHIエアロスペース、清水建設などが出資する。
【関連記事】
- ・スペースワン社長、ロケット2号機打ち上げ「今度こそ」
- ・スペースワンの小型ロケット爆発、打ち上げ直後に
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。