新しく導入した設備で在庫の収納や取り出しを自動化する(10日、埼玉県新座市)

出版取次大手の日本出版販売(日販)は10日、10月から稼働を始めた物流拠点のメディア向け見学会を開催した。新しい物流拠点では文具や雑貨など出版物以外の配送を強化する。出版物の配送が減る中、新たな収益源を確保する。

場所は埼玉県新座市で、延べ床面積は約2万5400平方メートル(7670坪)。今まで3カ所に分散していた文具や雑貨の倉庫を統合した。

同社の物流拠点では書籍に記されているISBN(国際標準図書番号)コードを読み取るシステムが主に使われていたが、それ以外のJANコード(日本の統一商品コード)なども読み取れるシステムを中心にして、書籍以外の配送がしやすくなった。

これまで商品移動や仕分けに時間がかかっていた種類が多く出荷量が少ない商品も、自動化を進めてかかる時間を減らした。

物流企画部部長の大熊祐太氏は「書店に並ぶ商品を全て扱えるようにしたい」と話す。出版輸送のトラックを使って文具や雑貨も納品する。書店向けの説明会を開催したところ、書籍と文具などをまとめた卸需要の手応えも感じられたという。

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