12日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時、1ドル=153円38銭まで円安が進み、1990年6月以来、約34年ぶりの安値を更新した。午後5時時点では前日同時刻より12銭円安ドル高の1ドル=153円24~25銭だった。

 米国の金利が高止まりするとの観測が強まり、低金利の日本との金利差が意識され、円を売ってドルを買う流れが続いている。一方で、政府と日本銀行による円安是正の為替介入が近いとの見方もくすぶり、値動きは限られた。鈴木俊一財務相は12日午前の閣議後会見で、円安への対応を問われ「行きすぎた動きに関しては、あらゆる手段を排除すること無しに適切に対応をとっていきたい」と述べ、市場を牽制(けんせい)した。ただ、午後に入ると円安に振れ、夕方にはこの日の東京市場での安値をつけた。ある市場関係者は「為替介入への警戒感と金利差に着目した円売りがせめぎ合った」と話す。(杉山歩)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。