酒造組合の北岡会長(右から3人目)をはじめ各団体から関係者が集まった(6日、奈良市)

日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことを受けて、奈良県酒造組合や奈良文化財研究所などは6日、「奈良酒」の振興と県の食文化の活性化に組織横断で取り組む「オール奈良」のプロジェクトを立ち上げると発表した。奈良は清酒発祥の地とされる。酒造組合を中核に、文化財関係の知見や大学が持つ技術を生かして様々な企画を打ち出していく。

具体的な取り組みとして、同県の酒造りの歴史や技術を生かして、各時代の酒を再現したり当時の料理と組み合わせたりする企画などを想定する。寺社との連携協力を深める。同日の記者会見には奈良商工会議所と県万博推進室の幹部も出席。足元で進めている鉄道を使った酒造めぐりの企画や、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)でPRに取り組む考えを説明した。

奈良文化財研究所の馬場基埋蔵文化財センター長は、県内の酒造会社と共同で進めている古代酒の復元プロジェクトなどについて紹介したうえで「様々な酒造りの手法があったなかで、選び抜いて残ったのが今の日本酒」と説明した。酒造組合の北岡篤会長は、多様性が奈良酒の魅力とアピールしつつ、文化遺産登録を機に「文化を守って発信していくのが使命」と決意を新たにした。

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