富士通と後発薬大手の日医工は5日、医薬品製造現場の技術者の動作を人工知能(AI)で検知する実証を始めたと発表した。医薬品を製造する無菌室の入り口に監視カメラを設置し、禁止されている動作がないかAIがチェックする。実証は20日まで。2025年3月の本格導入を目指す。
日医工岐阜工場(岐阜県高山市)で11月から実証している。無菌室の入室時には手洗いや作業服につくホコリの吸引など複数の作業がある。AIは現場技術者がそれらの作業をしているか確認する。床に膝をつくなどの禁止行為があった場合は本人などに通知する。
動作を検知するサービスは他社にもあるが、富士通のAIは複数人の作業をリアルタイムに検知できるのが特徴だ。今回の実証で一度に検知可能な人数も検証する。
富士通と日医工は技術者の育成でもAIの活用に向けて実証中だ。部品管理ソフトを手掛けるブロードリーフの動作分析ツールも使い、ベテラン技術者の作業映像を工程ごとに分析する。指導者が経験の浅い技術者の作業映像と比較しながら教えられるようにする。
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