東邦ガスは5日、知多緑浜工場(愛知県知多市)内のトラウトサーモン養殖設備を報道公開した。このほど水槽を増設したのを受け、養殖サーモンの生産を拡大する。2026年3月期には出荷量を従来比3.3〜5倍の40〜60トンに増やし、本格的に商業展開する。
同社のサーモン養殖は、都市ガス原料の液化天然ガス(LNG)を気化する工程を活用している。LNGの入ったチューブに海水をかけて気化させる際に、海水温が低下する。この冷やした海水を養殖に使う。水温を2〜4度低く保てることから、一般的な海面養殖より遅い5〜6月ごろに出荷ができるという。ニッスイから技術面の助言などを受けている。
19年に水槽で試験生産を始め、今期に水槽の容量を5倍の1000トンに増やした。サーモンも増産し、販路もスーパーなどの小売店から地元飲食業や宿泊業に広げる。「知多クールサーモン」のブランドで売り出し「地域経済の活性化にも貢献したい」(東邦ガス事業開発部)という。ガス会社がサーモン養殖を本格的に事業展開するのは初めてとなる。
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