NHKは3日、中継局を民放と共同利用するための子会社を月内に設立すると発表した。当初の資本金は1億円でNHKが全額出資し、その後、民放各社から出資を受けて増資する予定だ。小規模な中継局などの設備更新にかかる費用を分担し、地方局も含めて事業環境が厳しい中で経営の効率化につなげる。
2024年4月に施行された改正放送法で複数の放送局が中継局を共同で使えるようになった。総務相の認可を受けた上で、12月中に子会社を設立する計画だ。25年末までに民放各社からの出資を受け、事業を本格的に始める。増資後も株式の過半をNHKが持つ形にする。
設備の更新時期を迎え、維持管理の負担が重い小規模中継局などが国内には複数ある。新設する子会社を通じて新たな設備を導入し、NHKと民放が共同利用したり、それぞれが保有する設備の保守・管理を一体で実施したりして効率的な運営を目指す。
NHK経営委員会の古賀信行委員長は同日、委員会終了後に報道陣の取材に応じ、「現状では地方含めて放送局が各自で(中継局の保守・管理などを)やっていくのは非常に困難な時代で、NHKも単独ですべて維持していくのは難しい」と指摘。共同利用の子会社をつくることは情報の多元性確保にも資するという認識を示した。
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