稲盛ライブラリーを訪れた中国人の経営者ら=9月、京都市伏見区

 京セラの創業者、稲盛和夫氏の人生や経営の哲学を継承するための「稲盛ライブラリー」(京都市伏見区)に、国内外から多くの人が訪れている。2023年度は2万人超が来館。24年度は3万人ほどになる見込みで、稲盛氏が亡くなって2年以上が過ぎたが、その理念から学びを得ようとする人は絶えない。

 9月下旬、館内では中国人の経営者ら約30人が通訳の説明に聞き入っていた。経営破綻した日本航空の再建を紹介するコーナーでは「究極のサービス業を目指すべきだ」と提唱したエピソードにうなずく姿もみられた。

 中国浙江省の大学教授だという50代の男性は「中国では稲盛先生のことを知らない経営者はいない。この場に来て感じ取ったことは多く、さらに尊敬するようになった」と高揚した表情だった。

 ライブラリーは02年、社員の研修施設として旧本社(京都市山科区)内に開館。13年に現在の本社の隣に移転したのを機に一般にも公開した。稲盛氏の哲学である「京セラフィロソフィ」を中心に技術者、経営者としての足跡や社会活動を展示。執務室を再現した部屋もある。

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