日本銀行の黒田東彦(はるひこ)・前総裁が2日、米ニューヨークで講演し、日銀が今年3月に行った金融政策の変更について、賃上げと物価上昇を踏まえたもので「自然なこと」と評価した。また、最近の円安について「一時的だと思う」とも述べた。

 ニューヨークの日米交流機関「ジャパン・ソサエティー」のイベントで講演した。

 日銀は3月にマイナス金利の解除など、それまでの金融緩和策を変え、利上げに踏み切った。黒田氏はこうした政策変更は「経済が好調でインフレ率が2~3%に達し、賃金が伸びているから」で、「自然なこと」と評価。今後も「金融政策の正常化は、スムーズに進むだろう」と述べた。

 外国為替市場で進んだ円安については、「グローバル企業の利益に著しい影響を与える」と指摘。こうした話題について話す中で、「異なる意見の人もいるかもしれないが、私は円安は一時的なものだと思う」と述べた。詳しい理由などは語らなかった。(ニューヨーク=真海喬生)

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