国内発電大手のJERAは27日、今冬の電力の需給対策を発表した。燃料や電源の確保を急ぐほか、発電設備が止まるのを防ぐため、重要設備を重点的に巡視する。冬は暖房利用などで電力需要が増えるため、石炭火力発電なども活用しながら電力の安定供給をめざす。
JERAは今冬の電源を確保するため、最新鋭の火力発電設備の改修などを進めてきた。バイオマス混焼中に火災爆発事故を起こし停止している武豊火力発電所(愛知県武豊町)も、2025年1月ごろをめどに石炭のみを燃料として発電を再開する。
同日記者会見した奥田久栄社長は「データセンターや半導体工場の新増設に伴い、電力需要は増える見込みだ」と語った。その上で、「アンモニアへの燃料転換や発電で生じる二酸化炭素(CO2)を回収し、地下に貯留する『CCS』なども活用し、火力発電所の脱炭素化を進める」と語った。
奥田社長は卸電力市場で相場操縦にあたる行為をしていたとして、電気事業法に基づく業務改善勧告を受けた問題についても言及した。JERAは遅くとも2019年4月から23年10月に改善するまで相場操縦にあたる行為を続けていた。
奥田社長は「23年秋時点で経営者が問題を認識した。23年10月にシステム改修する直前だった。経営者が知るまでに相当時間がかかっており、問題の深刻さに対する認識の甘さがあった」と語った。
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