ロピア静岡1号店の前には1000人ほどの列ができた(26日、浜松市)

OICグループ(川崎市)傘下で急成長中の食品スーパー「ロピア」の静岡県内1号店が26日、浜松市で開業した。「食のテーマパーク」をうたい、コスパと遊び心ある売り場が特徴。商圏も広く、限られた地域内に集中出店する地元小売りとは異なる戦略で消費者の動きに注目が集まる。

県内1号店は「ロピア浜松プラザフレスポ店」で、JR浜松駅から車で10分ほどの大型商業施設「浜松プラザ」内に構えた。総面積は約1900平方メートル。30〜40代の夫婦に子ども2人の家族がターゲットだ。

モットーは「同じ商品ならより安く」「同じ価格ならより良いものを」。手数料負担を避けるため会計は現金のみ。飲料は常温販売といった工夫で低価格を可能にする。このほか、「デカ盛り」の総菜やプライベートブランド(PB)といった独自色の強い商品が呼び水になっている。

ネオン看板風の装飾など店内は遊び心にあふれる(26日、浜松市)

将来的には県内で少なくとも3店舗ほど増やす。ロピア中部営業本部の柴田昇取締役は、「ロピアは商圏が広く、カニバリゼーション(共食い)の可能性もある。見極めながら出店したい」とした。

OICグループの浜野仁志取締役は商圏について「一般的なスーパーは店から1から2キロメートルだが、ロピアは広いと10キロメートル以上」と話す。「1店舗あたりの売上高も一般的なスーパーの2〜3倍はある」という。

27日にはディスカウント店、トライアルホールディングス(HD)の静岡県内初店舗「浜松若林店」(浜松市)がオープンする。杏林堂薬局(同市)やマックスバリュ東海など地元の小売業は「ドミナント戦略」や地産地消を推進してきた。異なる営業戦略をとる企業の参入は、県内小売りの勢力図に変化をもたらす可能性を秘める。

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