日本工作機械工業会(日工会)が20日発表した10月の工作機械受注総額(確報値)は前年同月比9%増の1225億円だった。3カ月ぶりにプラスに転じた。IT(情報技術)関連の大型受注でアジア向けが63%増えた。米大統領選挙前の投資控えが影響した北米向けと景気低迷が長引く欧州向けはともに減少が続いた。
受注総額全体の7割を占める海外向けは14%増の891億円だった。アジア向けは498億円で7カ月連続のプラスだった。アジアのうち6割を占める中国向けは49%増の290億円。自動車関連やIT関連の投資が堅調に推移した。
インドもIT関連が好調だった。同国向けは3.2倍の97億円と単月ベースで過去最高を更新した。20日に記者会見した日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「IT関連や自動車関連で注目されている。半導体関連も含めてインドは今後も伸びる」と述べた。
北米向けは23%減の212億円と3カ月連続でマイナスだった。トランプ次期大統領が率いる米新政権について、稲葉会長は「エネルギーや航空宇宙関連などで景気改善に期待が膨らむ一方、関税政策と通商への影響は気がかりだ」と述べた。欧州向けは9%減の165億円と10カ月連続のマイナスとなった。
国内向けは1%減の334億円だった。マイナスは26カ月連続となった。自動車業界などで設備投資の回復遅れが想定より長引いている。
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