JR東海が山梨県側で再開した掘削調査の現場(5月、山梨県早川町)=同社提供

JR東海は20日、リニア中央新幹線のトンネル工事のためのボーリング(掘削)調査が静岡県内に到達したと発表した。同県内を調査するのは初めて。今後は山梨県との県境からおよそ1キロメートルを掘り、本格的な掘削工事に向けて地質などの状況を調べる。

調査を実施するのは山梨県から静岡県にまたがる山梨工区の一部区間。地中から直径十数センチの棒状の機械で水平方向に掘り進める。静岡県の川勝平太前知事は地下水の流出を懸念し、県内調査に反対していた。県は9月、JR東海が示したリスク管理方法などを踏まえ容認する方針を示した。

未着工の静岡工区はJR東海と県など関係自治体との調整が続く。県の専門部会では自然環境や建設残土置き場などが検討項目として残る。JR東海は3月、東京・品川ー名古屋間の2027年開業を断念すると表明。静岡工区の工事期間を考慮すると、開業は早くても34年以降の見通しになっている。

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