名古屋市で講演した植田総裁は、経済・物価の見通しについて「不確実性は高い」として海外経済の動向と賃金の上昇が続くかどうかの2つの動きが今後カギになると指摘しました。

このうち
▽海外経済についてはアメリカや中国の経済の先行きに注意を払う必要があると述べたほか、
▽賃金の動向についても所定内給与のこれまでの上昇幅は物価の上昇幅に追いついていないなどとして、賃上げや価格転嫁の動きがさらに広がるかをしっかり見ていくとしました。

そのうえで植田総裁は今後の金融政策について、経済・物価が見通しどおりなら利上げを検討する考えを重ねて示す一方で、「毎回の金融政策決定会合ではその時点で利用可能なデータや情報などから経済・物価の現状評価や見通しをアップデートしながら判断していく方針だ」と述べ、会合ごとにリスクとなる要因を慎重に点検していく考えを示しました。

一方、講演のあと出席者から、アメリカのトランプ次期政権の政策や閣僚などの人事が日本経済にどのような影響を及ぼすのかについて質問されたのに対し、「どういう政策を打ち出してくるのか、世界経済に影響の大きいアメリカの政策なので、大変注目している。しかし現時点では確固としたものが得られてるわけでは当然なく、全貌が判明するにはかなり長い時間がかかるかと思う」と述べるにとどまりました

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