ヨドバシホールディングス(HD、東京・新宿)は15日、そごう千葉店(千葉市)の別館だった商業ビル跡に家電量販店「ヨドバシカメラ」を開業した。徒歩2分の場所のヨドバシカメラ千葉店(12日に閉店)から移転した。ヨドバシHDがそごう・西武から取得した土地・建物を活用して家電量販店を開くのは初めて。
そごう千葉店の別館にあたる「ジュンヌ」は2023年8月末に閉館していた。JR千葉駅から徒歩2分の立地で、売り場面積は現在の千葉店の約3倍の1万3000平方メートル。従来取り扱っていなかった自転車や医薬品・化粧品も販売する。午前10時頃の開店前には約300人の行列ができた。
ヨドバシHDの藤沢昭和社長は「接客の教育を徹底し、地域客により満足してもらえるようにしたい」と述べた。売り場については回遊性に特にこだわったといい、藤沢社長の指示でジュンヌでは互い違いだったエスカレーターを両方向から上り下りができる「ダブル」に変えた。藤沢社長は「柱が多く売り場づくりに苦労した。まだ100点ではないが、改善していきたい」と語った。
新店はそごう千葉店と道路を挟んで隣接しており、4階は連絡通路でつながる。千葉店の堤康平店長は「そごうとの相互送客に期待している。一緒になることで、お互いに成長を目指せる」と強調した。
移転前からヨドバシを利用し、開店前の深夜から店頭に並んだ男性(53歳)は「ジュンヌの利用頻度は高くなかった。ヨドバシ出店で地域の活性化につながるなら歓迎したい」と話した。一方、入店時にセール品が取り合いになるなど混乱があったといい「従業員教育や来店対応に改善の余地がある。今後に期待したい」とした。
ヨドバシHDは23年、セブン&アイHDからそごう・西武を買収した米ファンドのフォートレス・インベストメント・グループを通じてジュンヌなどそごう・西武の土地・建物を複数取得していた。25年夏以降には西武池袋本店(東京・豊島)の売り場面積の約半分にヨドバシカメラを出店する計画だ。
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