「幼い頃から好きで、今は自身のお子さんと一緒に食べているという声も聞きます」と話すロッテの久保田祐揮さん

 ロッテの菓子「パイの実」は、1979年の発売から45周年のロングセラー商品だ。「パイを手軽に食べてほしい」と開発した。

 商品企画を担当するロッテの久保田祐揮(くぼた・ゆうき)さんに工夫を聞いた。一口サイズで、パイ生地のさくさくとした食感と中に入れた専用チョコレートを味わえるのが特徴だ。1箱73グラム入りで店頭想定価格は205円前後。(共同通信=増井杏菜記者)

 コロナ禍前の2019年度と比べた2023年度の売上高は約5%増で、今も人気だ。当時、各社がチョコレートとビスケットやクッキーと合わせた菓子を販売。「組み合わせる菓子として、百貨店などで売られて高級だったパイに着目しました」。海外の折り重なったパイ商品も参考に、生地の機械を導入して開発した。

 少し丸みを帯びた六角形と64層のパイ生地は試行錯誤から生まれ、今も変わらない。「型抜きの際、六角形だと生地を余すことなく使えます」。多層の決め手は「64層より少ないとパイがばらけ、多いと硬くなってチョコが入らないからです」。

 2024年9月、顧客の「パイが主役の菓子」という声を受け、よりさくさくとした食感を目指してリニューアル。「口の中で生地と同時に溶けるようにチョコのバランスも考えました」

 箱に描かれたリスはパイルとロクシーで製品にちなむ名前だ。45周年の企画として出版社とコラボした2匹を巡る絵本も打ち出した。「商品の世界観も楽しんでほしいです」。久保田さんは川崎市出身の35歳。

ロッテの「パイの実」

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