メガバンクを傘下に持つ大手金融グループ3社はことし4月から9月まで半年間の決算を発表し、最終的な利益は
▽三菱UFJフィナンシャル・グループが前の年の同じ時期より35%増えて1兆2581億円
▽三井住友フィナンシャルグループが37%増えて7251億円
▽みずほフィナンシャルグループが36%増えて5661億円
となり、いずれもこの時期としては過去最高となりました。
これは円安が進んだことで海外での収益が日本円に換算した際に増えたことや、日銀の利上げに伴い企業などへの貸し出し金利を上げたため利ざやが改善したこと、それに顧客企業の株式=政策保有株の売却益が増えたことが要因です。
今年度1年間の業績についても貸し出しの利ざやの改善が見込まれるなどとして、最終的な利益の見通しを
▽三菱UFJが1兆7500億円
▽三井住友が1兆1600億円
▽みずほが8200億円
といずれも上方修正しました。
大手金融グループは「円安」と「金利のある世界」を追い風に業績を伸ばした形ですが、今後、業界全体では貸し出しの原資となる預金の獲得競争が激しくなりそうです。
米大統領選 トランプ氏勝利の影響は?
大手金融グループ3社は中間決算の発表に伴って会見し、経営トップからは、トランプ氏がアメリカ大統領選挙で勝利したことによる世界経済や金融市場への影響についても発言が相次ぎました。
三菱UFJFG「財政拡張で金利の上昇圧力かかる」
三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤宏規社長は、「減税の延長や法人税の引き下げによって財政が拡張するため、アメリカでは金利の上昇圧力がかかる。また、移民政策や通商政策も金利上昇の圧力がかかってくると思う。一方、トランプ氏は激しい主張はしているが、アメリカの景気とか物価の動向を踏まえた政策運営をすると思っている」と述べました。
三井住友FG「短期的には株高・ドル高・金利高に」
三井住友フィナンシャルグループの中島達社長は、「短期的には減税や規制緩和によってアメリカ経済の活性化が見込まれるため、株高・ドル高・金利高になると想定している。これは金融機関にとってもポジティブに受け止めている。一方、中長期的には、過度なインフレのリスクや中国を中心とした貿易摩擦の激化リスク、中東情勢の不安定化が出てくる可能性がある。アメリカは市場規模や成長性から見ても極めて重要なマーケットなので、動向を適切にみていく」と述べました。
みずほFG「一挙手一投足をみていく必要」
みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は「トランプ氏が掲げる政策はインフレになりやすく、アメリカの金利も下げ止まっている。金利の上昇が結果的に経済に悪影響を与える場合もあるため、一挙手一投足をみていく必要がある」と述べました。
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