タムラ製作所は14日、中国の製造子会社での在庫の不適切な処理に関する調査報告書を発表した。深圳市と蘇州市の子会社2社が原材料の在庫を長期間保管することで発生する評価損を正しく計上していなかった。同社は不正の疑いが見つかったとして、8日に当初計画していた2024年4〜9月期決算の発表を延期していた。
子会社2社が18年1月から24年9月末にかけ、社内ルールに反して3億2000万円の評価損を計上していなかった。ほかに利益を多く見せるために売上原価も低く計上していた。あわせて3億3000万円を24年4〜9月期に売上原価として計上した。24年4〜9月期の売上原価は384億円だった。
不正は14年ごろから行われていた疑いがあるが、遡っての調査は困難として18年からの6年間を調べた。業績への影響は限定的として、過去の決算は訂正しなかった。
同社は原材料などの在庫を長期間持つと品質などが下がる可能性があるため、在庫期間に応じて評価損を計上するルールを設けている。再発防止策も改めて公表するという。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比18倍の9億4200万円だった。前年同期の特別損失の反動で伸びた。特別損失は英国子会社の年金の資産と債務を保険会社に売却した際に生じた。
売上高はアメリカのデータセンター向けの変圧器が伸びて1%増の524億円だった。営業利益は人件費の増加が響いて16億円と4%減った。
25年3月期の年間配当を13円と従来計画から3円積み増す。創立100周年の記念配当3円を実施する。24年3月期は10円だった。
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