講演するソニー元社長兼CEOの平井氏(14日、名古屋市)

日本経済新聞社とテレビ愛知は14日、ビジネスリーダーらが中部経済の未来を議論するイベント「LBSザ・フォーラム」を名古屋市内で開いた。登壇したソニー(現ソニーグループ)元社長兼最高経営責任者(CEO)の平井一夫氏は、リーダーに求められる役割について「重要なのは社員のモチベーションを高め、組織の力を100%引き出すことだ」と強調した。

日本経済新聞社とテレビ愛知などTXN系列局は、2021年から地域経済について共同で取材する「LBSローカルビジネスサテライト」を始めた。日経電子版や各局でニュースを放送・配信している。今回のイベントは7回目となる。会場では約300人が聴講した。

平井氏は「組織の上にいけばいくほど、心の知能指数(EQ)の高さが重要になってくる」と述べ、周囲から尊敬される人間性を備えることが欠かせないとの考えを示した。また「異見を言える環境をつくる」ことで、より的確な経営判断ができると説いた。

平井氏は12年にソニーの社長兼CEOに就任し、4期連続で最終赤字だった同社の構造改革に取り組んだ。パソコン事業の売却や人員削減に取り組む中で、長期不振が続いたテレビ事業を売却しなかった理由については「安く多く売る土俵からシフトし、台数を絞っても利益を出せる道が見えてきたからだ」と振り返った。

フォーラムではこのほか、LBSで取り上げた新興企業3社の経営者らが登壇。名古屋発ビジネスの展望やスタートアップの活性化に関して意見を交わした。

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