物流で連携し、ドライバー不足に対応する(写真は物流トラックのイメージ)

サントリーホールディングス(HD)とサッポロHDは13日、グループ会社の輸送で往路と復路で互いの商品を運ぶ「ラウンド輸送」を始めると発表した。群馬と岡山を結ぶ長距離便が対象で、両グループあわせて年間で約150台のトラック運行を減らせる。ドライバーが不足する物流の「2024年問題」に対応する。

群馬から岡山に向かう便でサッポロ側のレモン飲料「キレートレモン」などを運び、帰りにはサントリー側の炭酸水「サントリー天然水 SPARKLING」などを運ぶ。二酸化炭素(CO2)の排出量も年間で約45トン減らすことができる。

荷物をリレー方式で届ける仕組みも採用する。4人のドライバーが中継して荷物を運ぶことで、1人あたりの負担も減らす。従来は一人のドライバーが3日間かけて往復しており、拘束時間の短縮が課題だった。今回の取り組みを通じて、ドライバー1人当たりの運転時間は年間で約1000時間減る見込みだ。

サッポロHD傘下のサッポログループ物流(東京・渋谷)の幹線統括支社長の井澤彰信氏は「他のルートにおいてもスキーム変更を行う必要があると考えており、今後も同様の取り組みを進めていきたい」としている。

飲料業界では物流などでの協業が相次いでいる。8月にはコカ・コーラボトラーズジャパンと伊藤園が愛知県で共同輸送の実証実験を始めた。非競争の分野で協力を深めることで、ドライバー不足に対応する。

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