各店ともインバウンドの回復が売り上げ増を後押しした

名古屋市内の主要百貨店(4社5店)が1日発表した4月の売上高(速報値)は、前年同月比9%増の355億円だった。気温が例年に比べ高くなったことで、Tシャツなどの衣料品が伸びた。インバウンド(訪日外国人)の回復などにより、化粧品や高級品も引き続き好調だった。

ゴールデンウイーク(GW)や夏の行楽シーズンに向けた帽子や紫外線ケアなどの雑貨も各店で好調だった。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行して初めてのGWとなることも影響したとみられる。

JR名古屋高島屋は14%増の163億円だった。4月に終了したゲートタワーモール(名古屋市)の大規模改修の効果で、若者を中心とした新規の顧客獲得につながった。売り上げでは高級品が全体をけん引した。

松坂屋名古屋店は4%増の97億円だった。海外の調理家電が振るわなかった半面、美術品や時計など高級品が伸びた。

名古屋三越の栄店と星ケ丘店を合わせた売上高は7%増の66億円だった。インバウンド需要が堅調で、免税の売上高は4月単月で過去最高になったという。ただ、星ケ丘店は主力の食品が2%減と苦戦。円安の影響で牛肉を値上げしたため売り上げが鈍化した。

名鉄百貨店は6%増えて28億円だった。同店も免税の売り上げの伸びが顕著で、化粧品などの消耗品は5.3倍になった。4月中旬に開いたパンの販売イベントも好調だった。

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