羽田空港の国際線ロビー=4月27日

 歴史的な円安や物価高が響き、日本人の海外旅行が「安近短」にシフトしてきた。コロナ禍が収束して最初の大型連休を迎え、アジアなど近場の渡航先で節約を意識した旅が人気を集めているようだ。

 HISによると、大型連休の海外旅行の予約者数は前年同期比で23.2%増加した。人気の旅行先は1位が韓国のソウル、2位が台湾の台北と近場が占めた。コロナ禍前は1位の常連だった米ハワイ州のホノルルは3位だった。

 HISの担当者は「韓国は日韓関係の改善で旅行する人が増えた。ディズニーリゾートの新施設ができた香港も今年は人気だ」と説明する。海外旅行の平均単価は前年同期比1.5%減の20万4900円となった。

 旅行日数の平均は前年より1.0日短い6.0日間。日本から近い東アジア旅行では4日間が多いという。

 大型連休の海外旅行予約者数は、コロナ禍前の2018年と比べると46.7%減と、本格回復には至っていない。

 親子でシンガポールへ旅行するという神奈川県の女性は「向こうの物価が高いので土産物などは買わないつもり」と話した。

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