政府がエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」の見直しに向けた議論を5月に始める方向で調整していることが1日、分かった。2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標に向けて35年度以降の電源構成が焦点となる見通しで、24年度中をめどに改定する。脱炭素化を目指す世界的な潮流を巡り、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭火力のほか、原発の扱いも重要な課題となる。

 先月開催された先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合で、35年までにCO2の排出削減対策がなされていない石炭火力を廃止することで合意した。声明では35年以降の稼働を認める余地も残しているが、足元で発電量の約3割を占める石炭火力の割合をどう設定するか注目される。

 エネルギー基本計画は3年ごとに内容を検討し、必要なら改定するよう定めている。政府は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、25年2月までに35年ごろの温室効果ガス排出削減の目標を決める必要があり、並行して基本計画も協議する。

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