政府、与党が、5G(第5世代移動通信システム)を推進する企業の法人税を優遇する税制を2024年度末で廃止する見通しであることが8日、分かった。要件が厳しく制度の利用が広がらなかった。所管する経済産業省が年度末に期限を迎えるにあたって廃止を要望しており、年末にかけての25年度税制改正議論で決定する。

 5Gの優遇税制は基地局や送受信装置など5G関連の設備投資を行った事業者が、投資額の一定額を法人税額から差し引ける制度。携帯電話大手のほか、地域の企業が工場や農場の管理に使うことなどを想定している。安全保障の観点で信頼のある通信環境を整備しようと20年度に導入。岸田前政権が掲げた「デジタル田園都市国家構想」の一環で期限を延長した。

 ただ、政府が国会に提出した報告書によると、20~22年度までの3年の利用は計12社。22年度に限ると1社のみだった。経産省によると、5Gを使った先進的なデジタル化の取り組みを要件に設けたことで利用が進まず、23年度以降も利用は低調だったという。

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