三井化学などが手がけた太陽光発電所(愛知県田原市)

三井化学は6日、脱炭素スタートアップのSustech(サステック、東京・港)と協力し中古の太陽光パネルを再利用する実証実験を始めると発表した。太陽光パネルは2030年代半ばに大量廃棄が見込まれており、資源の有効活用につなげる。

三井化学が古くなった発電所から太陽光パネルを調達、発電量などを診断して再利用できるかどうか判断する。そのうち使える中古パネルを使ってサステックが発電所をつくり、自社のシステムで発電量や異常の監視も手掛ける。生み出した電気は企業などに直接売る。

太陽光発電は12年の固定価格買い取り制度(FIT)の導入で急速に広がった。FIT期間の終了に合わせてパネルの入れ替えが増える見込みだが、現在は大半が再利用されず埋め立て処分されている。パネルの耐用年数を超える30年代半ばには廃棄が大幅に増える見通し。環境への負荷も大きいことから、政府は廃棄を減らすためにパネルのリサイクル制度の整備に向けた議論に着手した。

三井化学は14年から太陽光の発電量の診断サービスを手がける。サステックとは22年に太陽光発電の運用支援で連携した。両社はパネルを再利用すれば廃棄や発電所の新設にかかるコストを抑えることができるとみている。実験を通じて事業性などを確かめ、中古パネルを使った発電所の開発を広げる。

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