富士通と東京証券取引所は5日、東証の株式売買システムを刷新し運用を始めた。取引情報を三重化してメモリーに格納し、複数のサーバーで動作できるようにした。システム障害発生時でも、秒単位で別のサーバーへ切り替えができるようにした。新たに富士通と東証の担当者を含めた障害対応チームも立ち上げた。
富士通は東証の株式売買システム「アローヘッド」の設計・開発を手掛けている。2010年から稼働を始め、今回の刷新で4代目となる。投資額は250億〜300億円程度という。
20年にはアローヘッドの一部に異常が生じ、終日売買が止まる障害が発生した。銘柄名など基本的な情報を格納する「共有ディスク装置」1号機内のメモリー機器が故障した。その際バックアップに切り替わらない設定になっており、2号機への切り替えができなかった。
今回の刷新を機に、終値を決めるための「クロージング・オークション」と呼ぶ時間帯も午後3時25分から30分の間に設けた。5分間は株価が動かず注文のみを受け付けられるようにした。現物株の取引終了時間も、午後3時から午後3時30分に延長した。
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